妻を亡くした78歳男性…住居型有料老人ホームに入居
清水陽子さん(仮名・53歳)の父、茂さん(仮名・81歳)が老人ホームに入居したのは3年前のこと。介護を必要とするわけではなく、70代後半でも健康体そのものでしたが、なぜ住み慣れた自宅での暮らしではなく、老人ホームに入居することを決めたのか……それは「一人暮らしの孤独」にあったといいます。
茂さんの妻は、3年前に脳卒中で急死。70歳でした。亡き妻が8歳年下であったことや、男女の平均寿命から考えて、「自分が先にくたばると思っていた」という茂さん。妻の急死は大きなショックだったといいます。
自宅が急に広く感じるようになり、強い孤独感に襲われたという茂さん。家事は妻に任せっきりだったので、食事は基本的に外食か、持ち帰り弁当。ごみ出しの日を忘れて、複数のごみ袋が玄関に重なる日も。洗濯機に任せたらいいとはいうものの、洗剤の分量や干し方がわからず、洗濯物はためがちに。着るものに困ることもしばしば。一人暮らしに限界を感じるものの、子たちと同居するのはまっぴら。
そんなとき、老人ホームに入居する友人から快適な生活ぶりを聞かされ、「それなら自分も」と感化されたといいます。
老人ホーム選びの際、考えるべきは費用。家賃の前払いにあたる入居一時金は、0円から数百万円、数千万円とピンキリ。富裕層が対象となる高級老人ホームの場合、億を超える場合も。月額費用は15万〜25万円程度が相場ですが、高級老人ホームだと50万〜100万円程度。さらに月額費用に含まれないコストも考えなければなりません。
自身の収入(多くが年金)と貯蓄から、無理なく入居できる費用感から絞り込んでいきます。
茂さんの年金は月23万円。手取りにすると20万円程度。預貯金は2,000万円強。これらを考慮して決めたのは、地元では高級とされる住居型有料老人ホーム。万一介護が必要になった際には、隣接する介護棟への入居もスムーズ。自立している(健康な)人が多く入居していることもあり、自由な雰囲気も気に入ったポイントだったといいます。
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