平均像を探っていくと見えてくる、苦しい思いをしながら暮らしている日本人の姿。さらに将来にさえ希望を見出せない、悲壮感も垣間見ることができます。なんとも悲惨な日本人の姿をみていきましょう。
平均月収31万円「老後に希望なし」が6割…将来のために「自助努力さえできない」日本人の悲惨

現役の子育て世帯の6割が「生活が苦しい」…将来にも希望を見出せず

そんなひもじい思いをしている人も多い、いまどきの共働き世帯。その暮らしぶりは、決して楽ではありません。厚生労働省『令和4年 国民生活基礎調査』によると、子育て世帯の半数が「生活が苦しい」と回答(「大変苦しい」22.9%、「やや苦しい」31.7%の合計)。子どもの教育費、住宅ローンの返済。さらに自身の老後のための資産形成と、共働きとはいえ、余裕などありません。

 

このような苦しい思いをしていても、将来に希望があればいいのですが、なかなかそんな明るい未来を描けない人のほうが多いようです。株式会社ロイヤリティ マーケティングが行った『老後に関する調査』によると、老後の生活について「希望なし」が57%(「あまり希望はない」38%、「希望はない」19%の合計)。「希望あり」を上回る結果となりました。

 

老後に希望をもてないのは、とにかく老後が不安だから。8割を超える人が「老後に不安を感じる」と回答しています。不安の内容として最も多いのが「生活費や年金などのお金」で82%。「体力や怪我、病気などの健康」69%、「自分自身の介護」52%、「認知症」51%と続きます。

 

年を重ねていくにつれて身体の機能は衰え、健康不安が増えていくもの。しかしそれよりも、なによりも「お金のことがとにかく心配」というのが、ほとんどの人が抱えている不安です。

 

――将来が不安なら、早いうちから備えたらいいじゃない

 

そのとおりですが、そういうワケにはいきません。 老後の生活に備えた取り組みについて「実施している」または「実施の意向がある」と回答した人は90%でしたが、実際に「備えをしている」は3割。「備えをしたいが何もしていない」が6割でした。つまり老後の備えの必要性を感じつつも、準備をスタートできない人が半数にも及ぶのです。

 

少子高齢化が進み、将来、年金受給額は現在の水準を保てず、年金が2割減は確実といわれています。そのため「自助努力」が推奨され、新NISA制度もスタート。貯蓄から投資へと促しています。

 

しかし、資産形成を始めたくても始められない、暮らしていくだけで精一杯という人たちが半数を占める現状。老後に希望をもてなくても、当然なのかもしれません。

 

[参考資料]

厚生労働省[令和4年 賃金構造基本統計調査]

SMBC日興証券株式会社『共働き夫婦のおこづかい・資産運用に関する意識調査』

厚生労働省『令和4年 国民生活基礎調査』

株式会社ロイヤリティ マーケティング『老後に関する調査』