「無届け老人ホーム」…恐ろしい実態
実際にどのような施設に入所したのかは分かりませんが、あまりにヒドイスタッフの対応から、もしかしたら「無届け老人ホーム」の可能性も。これは届け出を出していなかったり、認可を受けていなかったりする、非合法の老人ホームのこと。無届けなので、自治体等の監督の目が届かずに、防火体制に不備があったり、職員の数が足りていなかったりなど、住環境に問題を抱えていることが多くあります。また虐待や盗難などといった犯罪行為が起きても、無届けなので明るみに出ないということも少なくありません。
――そんな施設、あるの?
と考えてしまうでしょう。厚生労働省『令和3年度 有料老人ホームを対象とした指導状況等の フォローアップ調査(第13 回)結果』によると、未届の有料老人ホームの数は656件、前年度の641件から増加し、有料老人ホーム全体に占める未届有料老人ホームの割合は 4.1%でした。決して少なくない数です。
過去には、「無届け老人ホーム」で防火設備の不備から火災で多くの死亡者を出したり、虐待などが判明したりするなど、事件・事故が起きています。無届けホームに入居することはリスクが伴うと言わざるを得ません。しかし「無届け」ということを知らずに入居しているケースも珍しくないといいます。
このような「無届け老人ホーム」。老人ホームへの入所希望者は増加の一途に対し施設が足りていないこと、費用的に入りたくても入れない高齢者も多いことなどにより、指導を強化しているものの、再び増加傾向にあるといいます。
とはいえ「無届け老人ホーム」、入所にはリスクが伴います。届け出がされている施設かどうかは、所在地の市区ホームページや、担当部署へ問い合わせることで確認ができます。ホームページやパンフレットに魅力的な文言が並んでいても、届け出や登録がされていないケースもあるので、入所の際にはきちんと確認しておきたいものです。
[参考資料]