1月13日、14日の2日間に渡って行われる「2024年度大学共通テスト」。約50万人の受験生、「合格」を目指して奮闘しているところですが、「祝!合格」となっても、喜んでばかりはいられない現実が待っています。みていきましょう。
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奨学金の返還をサポート…2024年度「奨学金制度の改正」

一方で、2024年度、奨学金制度が改正。貸与型奨学金の返還において、月々の返還額を減らす条件が緩和されます。そもそも貸与型奨学金の返還には毎月の返還額が一定の「定額返還方式」と、所得に応じて返還額が決まる「所得連動方式」があります。

 

「定額返還方式」において、返還が苦しいときに利用できる「減額返還制度」は、これまで本人年収325万円以下が条件でした。2024年度からは400万円以下に引き上げられます。さらに子どもがいる場合には、人数に応じて上限年収が引き上げられます。「所得連動方式」であれば、返還額算定のための所得計算に子ども1人につき33万円の所得控除が上乗せ。子育て中の返還額を少なく抑えることができます。

 

返済不要の給付奨学金の利用条件も緩和されるなど、奨学金制度は今後も改正が見込まれます。今回のように大学等の卒業生を対象とした改正もあるでしょう。自身の教育をサポートしてくれる奨学金は賢く利用するのが鉄則。最新の情報をチェックしておくことも重要です。

 

[参考資料]

文部科学省『国立大学等の授業料その他の費用に関する省令』

文部科学省『私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査』

厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』

日本学生支援機構『令和2年度 学生生活調査』

労働者福祉中央協議会『奨学金や教育費負担に関するアンケート』