本日1月13日、14日の2日間に渡って行われる「2024年度大学共通テスト」。受験生は約50万人を割ったとされていますが、そもそも大学への進学率はどれくらいなのでしょうか。みていきます。
都道府県「大学進学率」最新ランキング…1位「東京都」と47位「鹿児島県」に広がる、驚きの〈進学格差〉

高卒サラリーマンと大卒サラリーマン…総収入は「38歳」のときに逆転

大学等進学率は6割を超え、上昇傾向。一方で高校卒業後に就職する割合は減少の一途を辿っています。

 

大学全入時代とはいわれるものの、「どのような大学に行くかが重要」「どのようなことを大学で学ぶかが大切」など、「とりあえず大学へ進学」という考え方に否定的な人も多いもの。しかし、どのような同期であれ、今後も大学進学率は上昇することが見込まれています。

 

理由は大きく2つ。まず「就職時の選択肢」。高校卒業時の求人数とそのバリエーションは少なく、かなり限定的になります。これは学校卒業時だけでなく、生涯付きまとうもの。「募集条件:大学卒業以上」という求人は多く、就職の選択肢を増やす意味でも、「とりあえず、大学は行っておけ」は、当然のアドバイスです。

 

もうひとつは給与格差。厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、高卒サラリーマン(平均年齢45.8歳)の平均給与は、月収で29.7万円、賞与も含めた年収で482.9万円。一方で大卒サラリーマン(平均年齢43.4歳)は、月収39.2万円、年収で640.2万円。

 

高卒サラリーマンの学校卒業後、1年目の年収は266.6万円。20代前半では347.3万円になります。対して大卒サラリーマンの1年目の年収は346.8万円。高卒サラリーマンのほうが若干給与が高くなっています。

 

しかし年収は20代後半で早々に逆転。そして社会人として働き始めてからの総収入も、38歳のときに高卒サラリーマンは8,122.4万円、大卒サラリーマンは8,189.6万円と逆転。以降は差が開く一方で、60歳定年まで働いた時の差は、高卒サラリーマンで2億0,685万円、対して大卒サラリーマンは2億4,272万円と、(場所にもよりますが)家1軒分の差が生じることになります。

 

もちろん、これは統計の平均値を用いてのシミュレーション。現実は異なることもありますが、社会人であれば、高卒と大卒の間に、大きな差があることは、さまざまなシーンで実感することでしょう。

 

就職と給与で、分かりすぎるくらい格差があるなか、「とりあえず、大学には行っておけ」というアドバイスはなくなりそうもありません。

 

[参考資料]

独立行政法人大学入試センター『令和6年度大学入学共通テストの志願者数について』

文部科学省『令和5年度 学校基本調査』

厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」