年を重ねるごとに介護リスクは高まり、80代後半にもなると半数以上が要支援・要介護認定を受けているといわれています。介護問題をさらに複雑化させるのが「中高年の引きこもり」。親の年金を頼りに暮らす先に待ち受ける未来とは。みていきましょう。
年金25万円・実家の両親が要介護、長男は引きこもり、貯蓄も使い果たし…50代長女に助けを求めるも「ごめん、私も余裕ない」 (※写真はイメージです/PIXTA)

中高年の引きこもり…推計85.5万人

内閣府『こども・若者の意識と生活に関する調査 (令和4年度)』によると、引きこもり状態にある人は「15~39歳」で2.05%、「40~64歳」で2.02%。これを人口に当てはめると、「15~39歳」の引きこもり状態は65.2万人、「40~64歳」の引きこもりは85.5万人いることになります。

 

また各年齢、等しい割合で引きこもり状態の人がいると仮定すると、最も引きこもり状態の人が多いのは「49歳」で4.1万人。人口のボリュームが多いということもあり、年齢と共に増えていく引きこもり状態の人は「48~50歳」でピークに達し、以降は減っていきます(図表)

 

出所:内閣府『こども・若者の意識と生活に関する調査 (令和4年度)』、総務省『人口推計(2022年(令和4年)10月1日現在)』より作成
【図表】各年齢の引きこもりの推計 出所:内閣府『こども・若者の意識と生活に関する調査 (令和4年度)』、総務省『人口推計(2022年(令和4年)10月1日現在)』より作成

 

ここでいう「引きこもり」は「広義のひきこもり群」といい、 趣味の用事のときだけ外出したり、近所のコンビニなどには出かけたりと、自室や家からほとんど出ない状態が6ヵ月以上続いている人を指します。

 

この引きこもり状態のいわばピークといえる年齢は、会社人として、まさにピークに達するタイミングで、給与も最高額に達するときです。そのようなときに、なぜ引きこもり状態に……。その理由として最も多いのが「退職したこと」。また調査年の関係から「新型コロナが流行ったこと」も多く、「病気になったこと」「介護・看護を担うようになったこと」「人間関係が上手くいかなかったこと」「職場になじめなかったこと」と続きます。

 

そして「48~50歳」といえば、就職氷河期と呼ばれる世代。学校を卒業しても就職先がなく、そのまま引きこもり状態になってしまった人。雇われる側が圧倒的に弱く、まだまだパワハラ等が横行していた時代、「イヤなら辞めてしまえ!」と連日罵られ、それがトラウマとなり引きこもりになった人も多くいました。「時代のせいにするな!」と批判を浴びることもありますが、引きこもり状態の人が多いのは、時代とまったく無関係とはいえないでしょう。

 

50歳を前にして引きこもり状態。そんな彼らを支えるのは、同居する高齢の両親。普通に順番が来たら、いずれ両親はいなくなり、引きこもり状態の子だけが残る。「どうやって生きていけばいいのか」と困窮。いわゆる「8050問題」として問題視されています。