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出生率7年連続下落…「子どもを育てられるか不安」な総資産
超少子高齢社会となった日本。コロナ感染拡大の影響により、俗に言う「産み控え」をする家庭も増え、2022年時点で出生率は7年連続で下落の1.26、出生数は77万759人と、統計開始以来の過去最低値を記録しました。
高齢化も加速度的に進んでおり、2022年には団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)に突入。医療費・介護負担の増加は避けられない事態となっています。
2023年5月30日公表『労働力調査(基本集計)2023年(令和5年)10月分結果』(総務省統計局)によると、完全失業者数は175万人、完全失業率(季節調整値)は2.5%であり、就労事情も明るくはない現状であることが見て取れます。
苦しい生活を生き抜く日本人。現在の資産形成の状況について、現役世代の方から話を伺いました。
30歳男性の吉住さん(既婚/仮名)。現在の手取りは19万円、社員数10名程度の小さな不動産会社で働いています。
「30歳にもなって、(給料が)こんなものかと。妻とは3年前に結婚して以来、1DK・家賃10万円の部屋で一緒に暮らしています。子どもは授かりものだと思っていますが、現在の給料や貯蓄のままで子どもを教育できるのか、懸念しています。総資産は夫婦合わせて150万円程度です」
「将来への不安は拭いきれませんね。つみたてNISAを最近始めたのですが、急に増えるものではないですし。月数万円程度の投資だと、正直貯蓄とそこまで変わらないように感じています。長い目で見れば大きく増えるのかもしれませんが、そもそもの人生設計がままならないので……」
「老後なんて、とてもじゃないけど考えられません。この先、どうなるんですかね。税金が増えるのだけは勘弁してほしいです」
人口減少や働き世代の減少に伴い、国の歳入のうち、借金である公債金は大幅に増加しています。
公債金とは「国債を発行して借りられたお金」を指します。日本は自国通貨建て国債であるため、「財政破綻」には陥りにくいという考えもありますが、それでもなお、今後、税金や社会保険料の面で国民の負担が増していくことには変わりありません。
国が国民に助けを求める状況のなか、金融審議会市場ワーキング・グループ報告書『高齢社会における資産形成・管理』(令和元年)には、追い打ちをかけるような事実が記されています。