(※画像はイメージです/PIXTA)

大手電力会社10社は11月29日、2024年1月の電気料金を発表しました。10社中、東京電力をはじめとする5社が「値上げ」となります。また、現状のままでは、2024年5月以降に全社が電気料金を値上げする可能性もあります。なぜなのか。本記事では、電気料金のしくみと、政府の激変緩和措置の補助金に触れながら解説します。

政府の「補助金」終了で2024年5月以降に「全社値上げ」も?

政府は、2023年1月以降、現在まで、電気代・ガス代の負担軽減策として、「電気・ガス価格激変緩和対策事業」を行ってきています。これは、電力会社・都市ガス会社に補助金を交付し、その分だけ、事業者に電気代・都市ガス代を「値引き」させるというものです。現状、2024年4月まで実施することが予定されています。

 

業者に補助金を給付するしくみは一見、回りくどいような気もします。しかし、他方で、補助金の制度は使用量に応じて値引きの恩恵を受けられるものなので、直接の給付金よりも公平な制度であるという見方もできます。

 

補助金は2023年9月以降、当初の約半分に減額されており、現時点での補助金の額は以下の通りです。

 

【電気代】

・低圧契約の家庭・企業等:1kWhあたり3.5円

・高圧契約の企業等:1kWhあたり1.8円

 

【都市ガス代】

・1,000万㎥未満の家庭・企業等1㎥あたり15円

 

2023年10月に大手電力会社各社が電気料金を値上げしたのは、この補助金の縮小の影響です。

 

そして、2024年4月にはこの補助金が期限を迎えるので、もし補助金が終了すれば、その段階で、1月に値上げをしない電力会社も、値上げに踏み切ることが想定されます。

 

なぜなら、前述の通り、現在の燃料価格の高騰の主な要因は、ロシアのウクライナ侵攻による世界的な燃料価格の上昇と、超低金利政策による円安です。いずれも長期化する可能性があり、2024年4月までに解消される見通しは立っていません。

 

つまり、今日の燃料価格の高騰は当面続く可能性があり、このままでは、2024年5月から、電気料金がさらに値上がりすることは避けられないとみられるのです。

「補助金」で対応するのは限界がある

では、2024年5月以降も補助金を継続すればよいかというと、そう話は単純ではありません。

 

補助金の制度は、本来、一時的・時限的なものです。また、特定の業種の事業者に経済的特典を与えるものなので、その程度によっては、他の業種と比べて不公平になる可能性があります。したがって、燃料価格の上昇が長期化・永続化するにつれ、補助金で対応することには無理が生じることになります。

 

したがって、今後は、補助金等による価格対策以外にも、たとえば、税負担の軽減によって実質的なダメージを緩和することや、エネルギー政策を転換して化石燃料への依存からの脱却すること等、中長期的な視野に立った、抜本的な対策を講じていくことが求められているといえます。

 

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