外で癇癪を起したら
たとえばお店の中で子どもが癇癪を起したら、周りの人に迷惑が掛からないよう、抱っこして落ち着かせようとしたり、外に連れて行ったりする親御さんはたくさんいらっしゃると思います。
それでは親御さんが大変なので、ひとつの考え方として、子どもが落ち着くまでその場で待ってあげるのもありだと思います。おそらく、周りにいるほとんどの人は、子どもは泣くものだと理解されているでしょうし、世界はみなさんが思っているよりも温かいということを知ってほしいと思います。
癇癪をクールダウンさせる裏技
それでもやっぱり、人の目が気になったりすることがあるかもしれません。そのようなとき、応急処置的に子どもの癇癪を収める方法のひとつが、笑わせることです。子どもが泣きつつも、くすっと笑ってしまうような状況に持っていきます。癇癪を起しているときに笑わせるのもなかなか難しいかもしれませんが、普段から子どもがいつも笑ってくれるような「持ちネタ」を用意しておくと、いざというときに役に立つかもしれません。
子どもが癇癪を起したときに気をつけること
①子どもの話を聞いてあげる
たとえば兄弟げんかが起きると、けんかをやめさせようと、つい「お兄ちゃんだから我慢しなさい」などと言ってしまうことがあると思います。でも、子どもにも言い分はあるので、まず、子どもの話を聞いてあげてください。そのうえで、親御さんの気持ちを伝えてあげるとよいと思います。
②怒鳴らないようにする
子どもは、よいことも悪いことも親の真似をして育っていきます。したがって、親が怒鳴ると、子どもは怒鳴ることをコミュニケーションの手段として真似してしまう可能性があります。とはいっても、親御さんも人間ですから、つい怒鳴ってしまうことはありますよね。それは仕方のないことだと思います。心に余裕があるときは、怒鳴らないということをちょっと意識してみてください。
癇癪を起さないためには
癇癪には、突発的に起こるものと、モヤモヤが積み重なって爆発するものの2つがあります。
①突発的に起こるもの
たとえば、エレベーターのボタンを押したかった、服がうまく着れないといったことが原因であれば、ボタンを押させてあげる、着やすいように大きめの服を用意してあげるというように、子どもが癇癪を回避できるようにしてあげるとよいでしょう。
もっとも、子どもの要求を通すとほかの問題が生じてしまう場合は、ママがストレスを感じないほうを優先してもらったらいいと思います。育児では、ママの心が傷つかないことを一番大切にしてほしいと思います。
②モヤモヤが積み重なって起こるもの
たとえば、兄弟げんかでモヤモヤが積み重なって、おもちゃを投げるという癇癪につながることがあるかもしません。この場合、兄弟げんかの時点で、何が嫌だったのか話をよく聞いてあげると、そこでモヤモヤが解消されて、そのあとおもちゃを投げるという行動にはつながらない可能性があります。常日頃からよく話を聞いて、モヤモヤをその都度解消してあげると、癇癪が起きにくくなるのではないでしょうか。
癇癪に困ったら
癇癪をはじめ子育て関する悩みを相談したいときは、自分が信頼できると思う人、自分の考えをわかってくれる人に相談することをお勧めします。それは保育園の先生でも家族でも友人でも構いません。大切なのは、自分が信頼できる人に相談することで、心に余裕が生まれることです。それが結果的に癇癪への対応につながっていきます。
パパ・ママ自身の心を大切に
子どもが癇癪を起して泣いているとき、もっと泣きたいのは親御さん自身ですよね。世の中には育児に対してこうするべきだという考えもありますが、それよりも一番大事にしてほしいのは親御さん自身の心です。親御さんが自分の心を大切にすることが子どもの癇癪への対応へとつながります。
子どもの癇癪に対して困った顔になったり、涙が出たりすることもあるでしょう。でもそれは子どもを大切に思うからこそであることを、子どもはわかってくれるはずです。だから大丈夫だということをお伝えしたいと思います。
【話を伺ったのは】
でんちゃん/保育士&子育て講師
3児の保育士パパ、子育て講師として育児に役立つ情報をSNSで発信中。全国各地での子育て講演会や育児雑誌での連載など多方面で活躍している。