さまざまな年齢の人と働かなければならない会社員。多かれ少なかれ、ジェネレーションギャップを感じることはあるもの。またそのギャップが「嫌い」という感情になってしまうことも。そんな世代間対立の調査を紐解いていくと、60代は全世代から嫌われる傾向にあるようで……みていきましょう。
現役社員から疎まれる「60代定年サラリーマン」…平均給与〈月43万円〉→〈月28万円〉でも働く「切実理由」 (※写真はイメージです/PIXTA)

定年を境に3~4割給与減で満足度も低下…それでも働き続ける理由は?

全世代から嫌われやすい60代。現在、「定年=60歳」という会社が多く、その後は、嘱託社員や契約社員など非正規社員で再雇用されるケースが多数派のようです。

 

厚生労働省の2022年発表の資料によると、50代後半の男性・正社員の平均給与は月収で43.1万円、年収で701.6万円。60歳を境に非正規社員になると、月収は28.3万円、年収で428.0万円と、月収で35%減、年収で39%減となります。

 

また独立行政法人労働政策研究・研修機構『高年齢者の雇用に関する調査(企業調査)』によると。60歳以降の仕事に関しての満足度としては、「仕事内容」のほか、「働き方」「労働時間」「労働日数」に関しては7割が「満足している」と回答。一方で「賃金」についての満足度は44.0%に留まります。

 

給与面では満足度は低いものの、他の部分では7割以上と高い満足度を誇る60代。ただ定年を迎えても働き続ける理由も「働きがい」などにあるかといえば、そうではありません。「定年後も働いている理由」で最も多いのが「生活の糧を得るため」で81.0%。「健康維持するため」で47.0%、「生活の質を高めるため」36.0%と続き、「働くことに生きがいを感じているため」は26.0%に留まります。

 

定年後も「働く理由=お金」とは、世の中、なんとも辛いものです。現在定年は60歳であっても、年金の支給は原則65歳。5年の年金待機期間があります。もし60歳定年&完全引退で給与収入がゼロになると、多くの人は貯蓄を取り崩しながら生活していくことになるでしょう。

 

長寿化が進むなか、キーワードになっているのが「資産寿命」。すなわち「老後生活までに形成してきた資産が尽きるまでの期間」です。亡くなる前に資産が尽きれば「老後破産」という結果になってしまいますので、多少の余力を残しつつ、人生をまっとうするのが理想です。

 

しかし年金待期期間に「収入ゼロ&貯蓄取り崩し生活」となると、一気に「資産寿命」は縮まります。平均寿命から考えて、年金受給開始から15~20年近くの人生があり、長生きすればするほど、お金の心配は増していくでしょう。そんな不安を軽減させるためにも、定年を迎えても年金受給までの5年間は働くことがいまや既定路線なのです。

 

給与は減るし、老後は不安だし、しかも現役世代からは「嫌い」と一蹴される……踏んだり蹴ったりの定年サラリーマン。せめてもの救いは、働き慣れた会社が雇ってくれることくらいでしょうか。

 

全世代から煙たがられる定年サラリーマンですが、嫌われる理由は前出の通り明白。下の世代の価値観を受け入れる柔軟さと、過去の地位などに縛られない謙虚さを持っていれば、現役世代の嫌悪感はなくなるはず。また現役世代も「60代なんて過去の人」といった価値観に縛られているケースも。諸先輩の良いところがあれば取り入れる、といった貪欲な姿勢があれば、ジェネレーションギャップは埋められるはずです。

 

[参考資料]

厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』

独立行政法人労働政策研究・研修機構『高年齢者の雇用に関する調査(企業調査)』

合同会社SNAPLACE 2020年調査