年収が高くてもなぜかカツカツの家計で暮らしている人たちがいます。一体なぜそのような事態となってしまうのでしょうか。なかには、放置しておくと家計破綻に陥るような深刻な問題を抱えている人もいて……。本記事ではAさんの事例とともに、買い物依存症の恐ろしさについて長岡FP事務所代表の長岡理知氏が解説します。
猛省しています…年収1,500万円の47歳内科医、エリート勝ち組人生のはずが「愛する子の教育費」も支払えない惨め【FPが解説】 (※画像はイメージです/PIXTA)

息子の大学進学費用は到底足りない…

問題は数年後に控えた息子の大学進学です。

 

当然教育費の貯えはまったくありません。息子は父親と同じく医師になりたいという希望を持っています。もし国立大学医学部に進学したとすると、6年間の学費と生活費は合計1,188万円という試算です。夫Aさんが教育ローンを借りようにも住宅ローンと自動車ローンの残債が大きすぎて、審査は困難かもしれません。仮に借りられたとしても返済できなくなるでしょう。


こうなると息子自身に奨学金を借りてもらうしかありません。医師向けの奨学金は指定された病院に一定期間就職することで返済を免除される仕組みのものも用意されています。国立大学であれば奨学金だけで医学部に進学することも可能です。

 

しかしキャリア形成の観点から言えば、医師としてのハイレベルな専門性を磨くには少し不便であると考える人が多いようです。非常に残念なことながら、息子の将来の医師としてのキャリア形成には非常にネガティブな状況です。


もし私立大学への進学を希望する場合は、もっと困難な道となるのが想定できます。すでに大学卒業後のマネープランを見据えて進路を決める時期に来ていますが、医学部進学には不利な現状を、親から告げなければなりません。夫Aさんも妻Bさんもそのようなことに思考がおよんでいないことも問題のひとつです。

 

「自分が親にしてもらったように、息子の教育には力を入れたい」以前に聞いた発言とは大きく矛盾が生じている現状です。

 

本来であればFPに相談するなど、状況を客観視できる第三者からの意見をもとに解決していかなければならない局面ですが、家計改善のレッスンもフェードアウト。2棟目の家を購入してからわずか1年後に3棟目の家を購入したと住宅営業マンから伝え聞き、「依存症」の深刻さを痛感しました。
 

家も自動車も、売り手は「買わないほうがいい」という結論はありえないでしょう。年収と職業によっては金融機関が融資を行い、買い物依存を加速させてしまうケースがあるのです。

買い物依存による家計への影響

FPの立場から、買い物依存症に共通する特徴を挙げてみます。

 

・考え始めると買うまで頭の中から消えない

・買うと興味を失う

・買うとすぐ次の買い物を考えている

・なにも買わない生活は退屈で寂しいと思う

・買ったあとで激しく後悔する

 

このような衝動性、強迫性から短いスパンで買い物を繰り返していきます。オンラインストアでクレジットカードを登録していたり、Amazon Pay、Apple Payなどでの支払い方法が選択できたりすると、買い物衝動から購入までのハードルが下がってしまいます。気が付けばもう買い物をしているのです。

 

もちろんクレジットカード会社からの請求額を毎月確実に支払えるのであれば問題は少ないかもしれませんが、買い物依存に陥ると次第に買い物の頻度と金額が上昇していき、自分の返済能力を超えた請求額になってしまいます。クレジットカードの返済が滞ればどのようなことになるかは、想像に難くないでしょう。

 

しかし恐ろしいのは、たとえ自己破産したとしても買い物衝動が収まるわけではないという点。自己破産後はデビットカードを経由させたり、後払い決済制度を利用したりして買い物を続けます。