中学受験、初めに決めたのは圧倒的に「母親」だが…受験校を決めたのは?
――お母さんが塾の宿題をしなさいって
家族3人が囲む、ある日の食卓。公立小学校に通う1年生の長男がいうには、昼休みに同級生を遊びに誘ったところ「塾の宿題があるから」と断られたのだとか。
――学校が終わったら、毎日塾に行くんだって。大変だよね
――もう(受験する)中学校が決まっているんだって。お母さんが全部決めちゃったんだって
と長男。小1から毎日塾通い&学校の昼休みに塾の宿題を強制……同級生のお母さん、少々暴走気味なのでは、と感じたといいます。しかし周りを見渡せば教育熱心な家庭ばかり。学年が上がるにつれて昼休みに遊ぶ子のほうが珍しくなり、「うちの子、仲間外れにされるのではないだろうか」と、不安を募らせているといいます。
株式会社栄光が私立・国立中学校を受験した受験生とその保護者を対象に行った「受験生アンケート」によると、中学受験を最初に考えたのは「母親」が最も多く52.8%。「子ども本人」は23.4%で、中学校受験、母親の意向が大きいことが分かります。
一方、志望校の選択においてはどうでしょうか。「受験についての選択は主に誰が決めたか」を聞いたところ、「子ども本人」が 48.3%。中学受験を決めたのは母親だけど、受験校選びは子ども本人というパターンが多いようです。一方で「母親」が30.3%と、母親主導ですべてが決まってしまうケースも。
一方で、受験生に「受験を乗り越える上で精神的な支えになってくれたのは誰ですか?」と尋ねたところ、「母親」が78.5%。「塾の先生」68.1%、「父親」58.2%、「塾の友達」57.0%と続きます。
さらに受験生と保護者に「受験とはどのようなものだったか?」を尋ねたところ、受験生からは「学力の向上に役立った」が最多で57.4%、保護者からは「(子どもの)精神的成長に役立った」が最多で77.6%。「大変だった」「苦しかった」という意見も聞かれたものの、受験生も保護者も肯定的に捉えているといいます。
ただ多くはないにしろ、「絶対、子どもを御三家にいれるの!」などと、子どもの考えをまったく無視し、親のエゴだけで暴走してしまう母親も多いようです。前出の調査では、中学受験を通して「親子のきずなが深まった」という回答が多かったとか。中学受験、子どもの将来はもちろんのこと、家族全員にとってもプラスになるようにしたいものです。