クラスの2人に1人が中学受験をする「東京都文京区」
中学校の1月受験まであとわずか。志望校の願書を入手し、過去問にも着手。インフルエンザの予防接種を受け、本番に向けてラストスパートといったところでしょうか。
中学受験なんてどこぞの国の話か、という人も多いかと思いますが、特に都心部では珍しいものではなくなっています。
東京都教育委員会『令和5年度公立学校統計調査報告書』によると、令和4年3月に東京都の公立小学校を卒業した9万8,518人のうち、都内私立中学校に進学したのは1万9,521人で、全体に占める割合は19.81%。「2019年:17.92%」→「2020年:18.44%」→「2021年:18.71%」→「2022年:19.37%」と一貫して微増を続けています。さらに国公立の中高一貫校や都外の私立中学校に進学したり、最終的に公立中学校を選択したりした子どもののことも含めると、5人に1人以上が中学受験に挑戦しているといえるでしょう。
東京都23区でも特に都心部の中学受験率は高く、最も私立中学進学率の高い「東京都文京区」においてはその割合、なんと49.50%。「中学受験、しないんですか? 珍しい」と言われてしまうほど、中学受験が当たり前と化しています。
厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、会社員(男女計、平均年齢43.7歳)の平均給与は月収で31.1万円、年収で496.5万円。それに対し、文京区に住む会社員(男女計)の平均年収は667万円。月収は45万円程度と推測されます。中学受験率は親の収入と関係が深いとされていますが、文京区は東京都23区でも第6位と高所得者が多く住む地域。クラスの半数が中学受験するというのも頷けます。
ただ、もともと文京区に所縁のある家庭であれば「子どもが中学受験をする」は当たり前かもしれませんが、外から引越してきた人たちにとっては、カルチャーショックかもしれません。東京の郊外から文京区に引越してきたという、40代サラリーマン家族も大きな衝撃を受けたといいます。