多くの親御さんにとって子育て初期の山場となるのが離乳食。思うように食べてくれないお子さんに苦労している方も多いのではないでしょうか。せっかく作った食事をベーっと吐き出されることの切なさと言ったら…。そこで今回は栄養分子学アドバイザーあいかさんに、離乳食を口から出してしまう理由やその対処法について伺いました。
せっかく作ったのに…「離乳食」ちゃんと食べるようになる対策【栄養分子学アドバイザーの解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

どうしても離乳食を食べない子はどうしたらいい?

固さや味を変えてみても食べないこともあると思います。そんな時、親御さんはあまり悩みすぎず次のように考えてみてください。

 

■一旦、口に入ればよしとする

離乳食は赤ちゃんがいろいろな味に触れていく経験です。たとえ口からベーっと出してしまったとしても、その味に出会ったということになります。何度も挑戦していくうちに慣れて食べられるようになることもあるので、少しずつ挑戦していければ問題ありません。

 

■食べられるもので栄養を補う

たとえば野菜が苦手で食べない場合、同じ栄養素は果物でも摂ることができます。食物繊維は雑穀や海藻にも多く含まれていますので、食べられる食物で栄養を補っていけば問題ありません。また栄養が強化されたフォローアップミルクもおすすめ。そういった便利なものもどんどん利用してみてください。

 

■食事を楽しいと思わせる

お子さんにとっても食事は楽しい時間だと思ってもらえることが一番大切だと思います。そのためにも好きなものをメニューに取り入れ、楽しみながら新しい味にも挑戦することを促してあげてください。

 

噛む力を育てるために注意したいこと

離乳食がうまくステップアップできない子の中には、口腔発達に問題を抱えているケースもあります。特に近年は『口腔機能発達不全症』といって、うまく噛めない、飲み込めない、口呼吸など、お口の機能になんらかの問題を抱えている子どもが増えています。

 

ポイント1:母乳で顎の力を育てる

噛む力を育てるには、顎の発達をサポートしてあげることが大切です。顎の発達は哺乳の段階から始まっていて、一般的には哺乳瓶よりは母乳の方が顎の力を育てやすいとも言われています。

 

ポイント2:ストロー飲みよりコップ飲みに

また離乳食期の早い段階でストロー飲みに慣れてしまうと間違った舌の使い方を覚えてしまい、口腔発達の妨げになるとも言われています。生後7・8ヶ月になった頃からコップのみのトレーニングを開始することをおすすめします。

 

ポイント3:ベビーフードは柔らかすぎるので上手に活用

ベビーフードはとても便利ですが、顎の発達という観点から見ると少し柔らかすぎるので、ベビーフードばかりにならないよう上手に利用しましょう。

 

離乳食を食べてくれないと悩むパパママへ

離乳食は噛んで食べるという学習行為とも言われています。赤ちゃんは放っておいても勝手に食べられるようになるものではなく、段階を踏んで食べる学習をしていかなくてはいけません。うまくいかなくて当たり前ですし、失敗しながら少しずつ少しずつ進んでいければいいと思います。

 

SNSなどで他のお子さんの姿と我が子を比べて悩んだり落ち込んだりする親御さんもいらっしゃいますが、ぜひご自分のお子さんをしっかり見てあげてほしいなと思います。離乳症を吐き出してしまう理由にしても、目の前のお子さんがどんな状況なのかよく観察することで何か解決の糸口が見つかるかもしれません。あまり深く悩みすぎず、まずはお子さんに向き合っていただければと思います。

 

【話を伺ったのは】

あいか/分子整合栄養医学普及協会 認定アドバイザー

愛知県出身。分子栄養学アドバイザーで1児のママ。自身が体調を崩し様々な病院にかかる中で栄養療法に出会う。体調が改善していくうちに食に対する意識が大きく変化し、本格的に分子栄養学を学ぶ。「日常に取り入れやすい」をモットーに子育てに役立つ情報や離乳食のレシピなどを発信している。