介護が必要になったらどうしたのか、親の意向はきちんと聞いておきたいものですが、なかなか聞けるものではありません。またしっかり聞いていたとしても、希望通りにいかないこともあるようです。みていきましょう。
年金10万円・80代母「特養に入居希望」も叶わず…60代長女、母逝去6ヵ月後に受けた〈1本の電話〉に「思わず笑いました」 (※写真はイメージです/PIXTA)

80代母、介護が必要になったら特養を希望も「入居待ちの状態で」

家族の迷惑にはなりたくない……そう思う妻(母)。しかし、思うようになるとは限りません。

 

80代母の介護を振り返る60代女性(長女)の投稿。要介護4となり、寝たきりになった母。かねてから介護が必要になったときは、特別養護老人ホーム(特養)に入居したいと話していたそうです。母の年金は、亡くなった父(夫)の遺族年金と合わせても10万円。貯蓄を取り崩すにしても、金銭的に民間の施設は難しいと考えていたといいます。

 

そして実際に寝たきり状態となり、長女は意を決して母が入居できる施設を探し回ります。しかし、あちらこちらに連絡しても、どこも「すぐに受け入れできない」とお断り。やっと見つけたところも、いつ空きができるかは未定で「空きが出たらご連絡します」との返事だったといいます。

 

介護サービスを利用しながらの在宅介護は、やはり大きな負担。母親も申し訳なさそうだったといいます。それから1年後、母親は逝去。結局、特養への入居は叶わず、亡くなってから半年経ってから「やっと空きが出ました!」と施設から電話があったとか。女性は「そんなに入居待ちがいるんだと、思わず笑ってしまいました」と振り返ります。

 

きちんと話し合ったとしても希望通りになるとは限らない介護。2025年には人口ボリュームの多い団塊の世代がすべて75歳以上となり、日本の高齢化も一段と高い水準に達します。在宅介護にしろ、施設での介護にしろ、高まる需要に対応できるか疑問視されるほどです。「こうじゃなきゃイヤだ!」となると希望に沿えず家族も困ることも。介護を必要になったときを想定して、いくつかの希望パターンを持っていたほうがいいかもしれません。