高収入のエリート世帯ほど、「子の教育」に大きな投資をする傾向が強いようです。ただ、度が過ぎた教育費支出によって、自らの老後を棒に振ってしまっては本末転倒。晩婚化の影響ですべてのライフイベントが後ずれしている昨今においては、とくに注意が必要かもしれません。詳しくみていきましょう。
「年収1,000万円超」のエリートだったが…“50代後半”の家計を〈どうやりくりしても赤字〉に追い込む「子どもの教育費」 (※写真はイメージです/PIXTA)

人生の三大出費の1つである「教育費」…幼稚園から“全部私立”だと総額でいくら?

人生の三大出費の1つに数えられる「子どもの教育費」。同じく人生の三大出費の1つである「老後資金」を確保するための資産形成を後回しにしてでも、かわいい我が子の教育に大きな資金を投じているという世帯も多いようです。

 

子どもの教育に一体どれだけの費用がかかるのか、文部科学省の『子供の学習費調査』で学費+家庭内学習などの学校外活動のための経費の1年間の総額である学習費総額をみてみると、「幼稚園」は公立が16万5,126円、私立が30万8,909円、「小学校」は公立が35万2,566円、私立が166万6,949円、「中学校」は公立が53万8,799円、私立が143万6,353円、「高校」は公立が51万2,971円、私立が105万4,444円でした。

 

さらに同省『国立大学等の授業料その他の費用に関する省令』『私立大学等の令和元年度入学者に係る学生納付金当調査』で大学のお金事情をみると、国立大学の納付金は81万9,800円、私立大学の場合、文系が118万8,991円、理系が156万6,262円でした。単純計算で、幼稚園から高校までは公立、大学のみ私立(文系)に進んだケースで総額1,000万円弱、幼稚園から私立だった場合は22歳で大学を卒業するまでに2,200万円ほどの教育費がかかることになります。

 

同じ調査で公立と私立、それぞれについて年収1,000万円超(「1,000万~1,199万円」「1,200万円以上」の合計)の世帯の割合をみると、幼稚園では公立6.5%に対し私立14.3%、小学校では公立19.3%に対し私立66.0%、中学校では公立21.6%に対して私立57.8%、高校では公立16.5%に対し私立30.8%でした(文部科学省『子供の学習費調査』より)。

 

当然といえば当然ですが、幼稚園から高校までのすべての段階において、多くの学費がかかる私立では高収入世帯の割合が高くなっていることがわかります。