過去1年間で5人に1人が投資詐欺と接触
次のグラフは、23年10月に独自に実施した、過去1年間における投資詐欺への遭遇状況に関する調査結果です。
結果は、「投資詐欺に遭遇した」と回答した人は8.0%、「投資詐欺と疑われる勧誘を受けた・商材を見かけた」と回答した人は12.3%となっています。両者を合わせると20%を上回っており、過去1年間において5人に1人が、何らかの形で投資詐欺に接触しているということになります。
なお、本調査は投資に興味を持たない人も含む日本国内の20歳以上の男女を対象に行ったもの。それを踏まえると、これは決して少なくない割合といえるでしょう。投資詐欺は非常に身近に潜んでおり、被害に遭う危険と隣り合わせであることを意識しておく必要があります。
続いて、「投資詐欺に遭遇した」または「投資詐欺と疑われる勧誘を受けた・商材を見かけた」人を対象に、そのときの投資経験や知識について質問した結果です。
もっとも多いのが「初心者だったが、基本的な知識はあった」で44.2%、次に多かったのが「完全な初心者で、投資に関する知識がほとんどなかった」が30.9%。中級者以上の人は24.9%にとどまっています。このことから、投資初心者ほど投資詐欺と接点を持つ機会が多いといえそうです。
小林さんは投資に関する知識が十分でないなか、老後資産を増やしたいという焦りから隙が生まれ、投資詐欺の被害に遭ってしまいました。身近に潜む詐欺から身を守るために、金融リテラシーを高めておきたいところです。
投資詐欺を回避するための4つの注意点
今回は、海外バイナリーオプションを利用する投資詐欺に遭った女性会社員のエピソードを紹介しました。
多くの人が「自分は詐欺に引っかかる訳がない」と考えているでしょうが、悩みや不安から隙が生まれ、思わぬ形で被害に遭う可能性があることを意識しておくべきだといえそうです。最後に、投資詐欺に巻き込まれないためのポイントを4つ紹介します。
SNSで良い情報がみつかることもありますが、真偽の定かでない怪しい情報も少なくありません。SNSで発信される内容を簡単に信じるのではなく、本当に正しいのか常に検証する姿勢を持つことが大切です。
投資詐欺では注意を引くために、「絶対に儲かる」「簡単に儲かる」「誰でも儲かる」などのインパクトのある言葉がよく使われます。しかし、投資はリスクが伴うもので、必勝法は存在しません。このことに触れず、聞こえの良い言葉ばかりを並べる相手は信用するべきではないでしょう。
無登録業者が提供するサービスは国内の規制の枠外にあるため、高いリターンの可能性があるなど、射幸心を煽るような側面があります。投資詐欺では、このような無登録業者を利用するケースが散見されます。安全な取引をするためにも、無登録業者の利用は避けておきたいところです。
「簡単に儲かる」といった話を持ちかけられたときには、何かしら裏があると考えるべきです。もしも簡単に儲かる方法があるなら、わざわざ人に教えたりせずに自分で実践するはずです。そうしないということは、その投資手法では儲けることができないと考えるのが妥当でしょう。
身近に潜む投資詐欺から身を守るために、日頃から上記の点を意識しておくことをおすすめします。投資にはどんなリスクが伴うのかを正しく理解した上で、自分に見合った範囲内で無理なく行うことが大切です。