テクニカル分析専門サイト『テクニカルブック』は、投資詐欺の遭遇状況を調査する目的で、20歳以上の男女7,730名を対象にアンケートを行いました。本調査からは、投資詐欺が意外にも身近に潜んでいる実態がみえてきました。本稿では、テクニカル分析の解説サイト『テクニカルブック』を運営する株式会社アドバンの代表取締役・田中勇輝氏が、本調査によって判明した「投資詐欺」の実態について解説します。※本記事は、株式会社アドバンが2023年11月7日に公開したリリースを転載したものです。
過去1年間で「5人に1人」が〈投資詐欺〉に接触…“AI投資”など「新ジャンルの投資」で“疑わしい”勧誘が目立つ (※写真はイメージです/PIXTA)

調査サマリー

今回の調査結果に関する概要は以下の通りです。

 

1.過去1年間に投資詐欺に遭った・勧誘を受けた人は20.3%にも上る
2.若い世代の方が投資詐欺に接触しやすくなる傾向、20代では32.3%にも
3.職業別の接触率1位は学生で36.7%、2位は経営者・役員で35.1%、3位は会社員で27.7%
4.東京は26.3%と全国平均より投資詐欺に触れる割合が高め、地域別では四国が26.4%で1位
5.AI投資に取り組んでいる人の79.0%が投資詐欺に接触している
6.FXは開始時と上級者になる段階で、投資詐欺と接触しやすい傾向

 

調査の実施概要

調査機関 :自社調査
調査方法 :インターネット調査(株式会社ジャストシステム「Fastask」)
対象エリア:日本全国
対象者  :20歳以上の男女
調査期間 :2023年10月11日~10月18日
有効回答 :7,730名

主な調査結果

1. 過去1年間に投資詐欺に遭った・勧誘を受けた人は20.3%にも上る

 

 

過去1年間における投資詐欺に接触した経験について質問したところ、「投資詐欺に遭遇した」と回答した人が8.0%、「投資詐欺と疑われる勧誘を受けた・商材を見かけた」と回答した人が12.3%という結果になりました。

 

両者を合計すると20.3%となり、5人に1人が過去1年においてなんらかの投資詐欺に接触したことがあるということになります。投資に興味のない人も含めて幅広く行った調査であることを踏まえると、投資詐欺は日常生活において身近に存在するリスクといえそうです。

 

2.若い世代の方が投資詐欺と接触しやすくなる傾向、20代では32.3%にも

投資詐欺の経験に関する調査結果を年齢別に集計したところ、以下のグラフのようになりました。

 

 

 

「投資詐欺に遭遇した」または「投資詐欺と疑われる勧誘を受けた・商材を見かけた」と回答した人の割合は、20代が32.3%、30代が24.9%、40代が18.6%、50代が14.4%、60代以上が11.9%です。このように、若い世代の方が投資詐欺に接触する機会が多いという結果になりました。

 

さらに男女別・年齢別で集計したのが、以下のグラフです。

 

 

 

男性における「投資詐欺に遭遇した」または「投資詐欺と疑われる勧誘を受けた・商材を見かけた」の合計割合は、20代が29.3%、30代が30.9%、40代が24.1%、50代が19.2%、60代以上が14.4%でした。20代よりも30代がやや高く、30代がピークとなって40代以上は減少していきます。

 

また、40代以上では「投資詐欺に遭遇した」の割合が30代の半分以下へと大きく減少しており、投資詐欺に接触したとしても実際に巻き込まれるリスクは低くなっていくことがうかがえます。

 

女性における「投資詐欺に遭遇した」または「投資詐欺と疑われる勧誘を受けた・商材を見かけた」の合計割合は、20代が35.1%、30代が19.2%、40代が13.5%、50代が9.3%、60代以上が9.5%でした。20代が突出して高く、30代になると大きく減少するのが特徴です。

 

男女別・年齢別で投資詐欺に触れる人の割合が最も高いのは20代女性で、「投資詐欺に遭遇した」だけでも20.9%となっています。男女を比較すると、基本的には男性の方が投資詐欺に接触しやすい傾向がありますが、20代に関しては女性の方が接触率が高いことから、より注意が必要と言えそうです。