就職後、多くの人は40年近く会社人として頑張り、そして定年を迎えます。「老後はふたりで……」と定年後の生活に思いを馳せる夫婦も多いでしょう。しかし虎視眈々と離婚を切り出そうとしている人も珍しくないようです。みていきましょう。
退職金2,000万円、年金夫婦で月23万円…余裕のある老後も50代妻「離婚したい!」と定年夫に〈三行半〉のワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

夫婦の3割は「熟年離婚、するかもしれませんね」

社会人となってから馬車馬のように働き、やっと手に入れる穏やかな日々……そんな老後、何が楽しみですか?

 

株式会社Q.E.D.パートナーズが行った『老後の夫婦関係』についてのアンケート調査によると、「夫婦で老後に楽しみにしていること、計画していることはありますか?」の問いに対し43.0%が「ある」と回答。自由記述でその内容を回答してもらったところ、「夫婦で旅行」という声が多かったようです。やはり現役時代は自由な時間が限られているので「老後は夫婦でゆっくりと旅をする」と夢を描いているのでしょうか。

 

一方で、「仕事引退してから夫婦の時間が増えることについてどう思いますか?」の問いに対して、「楽しみ(「とても楽しみ」「楽しみ」の合計)」は42.5%、「憂鬱(「憂鬱」「とても憂鬱」の合計)」が18.5%。少数派にはなりますが、「夫婦水入らず」をネガティブに捉えている人も多いようです。また「どちらでもない」が39.0%。このなかには、すでに夫婦関係が冷え切り、ふたりの将来に対して無関心、という人も多い気がしてなりません。

 

そして「熟年離婚の可能性はあると思いますか?」の質問には、「ない(「絶対ない」「多分ない」の合計)」が65.5%。「あるかもしれない」が27.5%、「将来離婚を考えている」が7.0%。熟年離婚の可能性が高い人たちは34.5%になります。

 

さらに資産構築に対し「問題なし/多分大丈夫」と答えた人に限ると「ない」は78.7%だったのに対し、「ダメそう/絶対無理」と答えた人に限ると「ない」は54.9%まで低下。金の切れ目が縁の切れ目ということでしょうか。「稼いでこない旦那はいらない」とか「お金がないなら一緒にいても意味がない」などと奥さんから離婚届を突きつけられる……そんな光景が容易にイメージされます。

 

ちなみに現在、離婚した夫婦の2割は熟年離婚だといわれています。統計上は婚姻歴20年以上の離婚=熟年離婚といいますが、「子どもも大学を卒業して子育ても終了。旦那は定年退職」というタイミングで“用なし認定”されることが多いようです。