就職後、多くの人は40年近く会社人として頑張り、そして定年を迎えます。「老後はふたりで……」と定年後の生活に思いを馳せる夫婦も多いでしょう。しかし虎視眈々と離婚を切り出そうとしている人も珍しくないようです。みていきましょう。
退職金2,000万円、年金夫婦で月23万円…余裕のある老後も50代妻「離婚したい!」と定年夫に〈三行半〉のワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

定年後も1人時間を満喫する夫に妻は…

ーー1日中、ネットサーフィンして何かブツブツ言いながら書き込みをしているんです。本当に気持ちが悪い

 

そう話す50代女性。定年を迎え、家にいることが多くなった夫に対する愚痴です。元々読書が趣味だったといいますが、そこから転じてSNSなどの書き込みを読んでは「正しい日本語の使い方は……」などとコメントをしているのだそう。

 

ーー最近、日本語が乱れてる! 言葉遣いがなってない! と大きな声を出すことも。何を考えているんだか

 

現役時代、家計を支えてくれた事への感謝はあるものの、いまは1日中家にいても、家事はもちろん身の回りのこともすべておまかせ。「私は家政婦じゃない」「こんな老後が続くなら離婚したい」など、日に日に不満はたまっていくばかりだといいます。

 

裁判所『令和4年 司法統計年報(家事編)』によると、裁判にまで発展した事例に限りますが、妻→夫の離婚で、原因の第1位は「性格が合わない」。ここでは“性格”と表現されているだけで、この夫婦のような状況が離婚原因であれば、これも「性格が合わない」と片づけられるでしょう。

 

【妻→夫の離婚理由】

●「性格が合わない」…48.0%

●「暴力を振るう」…26.8%

●「生活費を渡さない」…23.3%

●「精神的に虐待する」…22.6%

●「異性関係」…14.2%

●「性的不調和」…7.8%

●「酒を飲み過ぎる」…7.02%

●「家庭を捨てて省みない」…6.2%

●「浪費する」…5.5%

 

子育ても終わり、現役も引退、夫婦ふたりだけの生活になったとき……夫婦を続けるためにも「お金」は大事ですが、もっと大切にすべきことは、夫婦それぞれにありそう。「何もしなくても夫婦でいられる」とは思わずに、まずはしっかりと向き合い、「老後はふたりで何をしようか」と楽しい未来を思い描くことが重要なのかもしれません。