ネット上の情報などで、不動産投資について「割に合わない」「やめとけ」といった否定的な意見を見たことがある人も多いでしょう。しかし本来、不動産投資は適切なリスク管理を行えば多くのメリットを得ることができます。本記事では、不動産投資に失敗しやすいケースとともに、リスクを回避し成功に導く方法について解説します。
数千万円の負債だけが残ることも…不動産投資は「やめとけ」!? 5つのやりがちな失敗例から学ぶ、成功のカギとは (※写真はイメージです/PIXTA)

不動産投資における失敗の定義とは?

不動産投資では、物件を購入するために多額の資金が必要になるため、自己資金以外にも金融機関でローンを組んで資金を調達するのが一般的です。

 

その後は、月々の家賃収入をローンの返済に充てることで運用していくことになりますが、どのような状態に陥ると不動産投資で失敗したことになるのでしょうか。ここでは、不動産投資における失敗の定義について押さえておきたい2つを解説します。

 

1.最終的に赤字になること

不動産投資を始めてから終了するまでの一連の流れを終えて、最終的な収支がマイナス、つまり赤字になってしまった場合は不動産投資の失敗となります。その不動産投資をしなければ損失は発生しなかったわけで、思惑に反して損失を出してしまったのですから、失敗と見なすほかないでしょう。

 

2.運用中に赤字でも失敗にはならない

最終的な赤字が不動産投資失敗の定義であると述べました。この「最終的な赤字」というのがとても重要で、不動産投資の成否は物件を売却するなどなんらかの形で運用を終了するまで確定しません。

 

多くの場合、不動産投資では最初の物件購入の時点から金融機関の融資を利用します。物件価格に対して1割から2割程度の自己資金があれば、残りは融資で調達することが可能だからです。

 

仮に2割の自己資金と8割の融資で収益物件を購入したとすると、この時点で8割部分は借金です。収支だけを見るとこの時点で赤字になっており、その後も家賃収入の総額と借入金が逆転する(つまり黒字化する)までには一定の年数を要します。

 

それではこの黒字化までの期間は赤字なので不動産投資は失敗なのかというと、そんなことはありません。融資を利用するのは多くの不動産投資で前提となっていることであり、担保がある状態で借り入れをするのですから単なる借金とは性質が異なります。

 

先ほど「最終的な赤字」を失敗と見なすと述べたとおり、運用中に赤字になることがあってもそれが想定された赤字であれば、失敗とは見なされません。

不動産投資でよくある失敗事例

これまでに多くの不動産投資家が取り組んできた不動産投資において、ありがちな失敗事例を5つ紹介します。これらはよくある失敗例なので、これから不動産投資を始める方は同じ轍を踏まないためにも参考にしてください。

 

1.不動産会社のセールストークを鵜呑みにして失敗

先ほども述べたように、「自分で学んで、自分で判断する」というのは、不動産投資に限らず投資の基本です。他人任せにしたり、他人の意見や勧めを鵜呑みにしてしまうのはとても危険です。

 

不動産投資のための収益物件を取り扱う不動産会社にとって、最も「オイシイ顧客」はこれから不動産投資を始めようとしている新米投資家です。理由は簡単で、まだ目利きがなく投資価値の低い物件であってもセールストーク次第では買ってくれるかもしれないからです。

 

不動産会社の良し悪しに関わらず、営業マンはセールスのプロです。売りたい物件について「この物件を買えば将来安泰」と訴求し、聞き手をその気にさせることに長けています。そんなセールストークを鵜呑みにしてしまうと、購入後に「こんなはずではなかった」となってしまう可能性は極めて高いでしょう。

 

優良とはいえないような不動産会社にとってその物件は「投資家のためになる物件」ではなく、「売りたい物件」に過ぎなかったのです。

 

2.「新築プレミアム価格」を考慮せずに失敗

新築マンションと中古マンションとでは、価格の決まり方が異なります。中古マンションは需給のバランスで決まるため、常に市場価格です。これに対して新築マンションはまだ市場で流通していないため、販売者が新築でマンションを建築し、販売するのに要した費用に利益分も乗せたうえで価格が決められます。

 

しかし中古マンション市場ではこうした販売者の事情は考慮されないため、たとえ新築間もないマンションであっても一旦誰かが購入したうえで中古市場に流通すると市場価格となり、新築時の価格ではなくなります。通常、新築価格よりも1割から3割程度安くなると言われており、この価格差のことを「新築プレミアム」といいます。

 

新築マンションにはこの上乗せ分があるため、どうしても購入費用が高くなってしまいます。仕入れ価格をいかに安く抑えるかは不動産投資の成否に直結するため、その意味で「新築プレミアム」が足を引っ張ることがあります。

 

新築マンションは集客力が高く、築年数が浅いうちは入居者探しに困ることはあまりないでしょう。しかし築3年、築5年と時間が経過するごとに徐々に新築の優位性は薄れてしまいます。それなら最初から中古マンションを安く購入し、古くなっている部分を含めてリノベーションをして価値を再生するほうがコストパフォーマンスは高くなり、成功する確率も上がります。この中古マンションのリノベーション投資については、後述します。

 

3.利回りだけを見て郊外物件を購入し失敗

不動産投資の利回りは、年間の家賃収入を物件購入価格で割って求めます。この計算式で利回りを高くしようと思うと、家賃収入を増やすか、物件価格を安く抑えるか、もしくはその両方が必要になります。

 

家賃をオーナーの都合で一方的に引き上げると入居者が付かなくなるため、それなら物件の購入価格を引き下げたいとの心理が働きます。都心の物件は高く郊外の物件は安いというのが不動産相場なので、利回りを高くしたいあまりに郊外のあまり人気がないような物件を購入してしまうと、安く購入することはできても不人気であるがゆえに空室に悩まされることになります。

 

収益物件を安く購入することは利回り向上に有効ですが、入居者から支持される物件であることを大前提に選ぶことが重要です。

 

4.節税目的だけで不動産投資を始めて失敗

不動産会社のセールストークに、「節税になる」というものがあります。収益が赤字になりそうな物件であっても、その赤字分を本業収入と差し引きすることで課税所得を減らし、節税になるというロジックです。なお、このように複数の収益を差し引きすることを損益通算といいます。

 

不動産投資に伴う必要経費も損益通算の対象になるため、節税になること自体は間違いではありません。しかし、節税目的で不動産投資を始めることがメリットになるのは、主に自営業などで年収額が大きく節税の必要がある人です。

 

サラリーマン大家と呼ばれるような兼業投資家の場合、節税メリットはそれほど大きくなく、逆に不動産投資の赤字収支のほうが負担になってしまいます。

 

5.物件購入後の不動産会社のサポートが不十分で失敗

新米投資家にとって、収益物件の管理や運用は未知の領域です。独自のノウハウが求められる世界だけに、プロのサポートが不可欠です。

 

優良な不動産会社であれば物件の購入後も十分なサポートが期待できるため大きな失敗をする可能性は低いのですが、「売ったらそれまで」という不動産会社から購入してしまうと購入後に大きなリスクを抱えることになります。購入後のサポート体制が十分であるかどうかの確認も、不動産会社選びで重要なポイントになります。