働き盛りの人でも、ケガや病気は突然起こりうるものです。このようなリスクに備え、資産形成を行っている人も少なくないでしょう。しかし、十分に資産形成ができていたとしても、万が一の際に役立たないケースもあると、FPdream代表FPの藤原洋子氏はいいます。本記事では、おひとり様のAさんの事例とともに、資産形成に潜む意外なリスクについて解説します。
ドライブ中に呂律が回らなくなり緊急搬送…年収1,000万円、貯金1,500万円の50歳・独身サラリーマン、病院で「お金が足りません」と嘆いたワケ【FPの助言】 (※写真はイメージです/PIXTA)

まだまだ働き盛り…50歳・メーカー部長職の男性を襲った突然の病

首都圏にお住いのAさん(50歳)は、外交的な性格で、ゴルフや登山などアウトドアで楽しむのが好きな方です。国立大学を卒業してメーカーに入社しました。マイホームはまだ持っていません。現在の年収は1,000万円、貯蓄は1,500万円です。部長として責任ある業務を任されています。

 

Aさんの姉(54歳)はすでに結婚し、Aさんと同じ市内に住んでいます。Aさんの父親は10年前に他界しました。母親は昨年から介護施設へ入所しています。母親の施設入所に伴い、四国地方にある実家の管理はAさんが主に行っています。

 

Aさん自身は独身です。ご本人は「結婚したくないわけではないのですが、生涯一緒に過ごしたいと思える人にまだ出会っていないのです」といいます。

 

50歳になりましたが、若いころとあまり変わらない生活習慣をなかなか治せずにいました。自炊は嫌いではないのですが、仕事終わりに疲れた状態で料理をする気力は持てず、主に外食やコンビニで済ませていたそうです。自動車やアウトドアなどの趣味にお金を使うことが多く、収入が安定していることもあって、貯蓄額は50代単身世帯の平均程度です。

 

ドライブ中、急に呂律が回らなくなり…Aさんに起きた異変

ある日、Aさんは友人のMさんとゴルフ場に向かいました。その日は、朝から少し頭痛があると感じていましたが、そのうちよくなるだろうと、予定どおり外出することにしました。Mさんが運転する車内で、いつものように最近の出来事などを話しながら過ごしていました。

 

出発からしばらくして、MさんはAさんの様子がおかしいことに気が付きます。話しかけても返事がよく聞き取れません。Mさんは、Aさんの様子を確認するためにパーキングエリアに入りました。

 

その後、Mさんの適切な対応で、救急車を呼んで病院に向かうことになりました。医師の診察の結果、Aさんは脳梗塞の疑いがあるということでした。