働き盛りの人でも、ケガや病気は突然起こりうるものです。このようなリスクに備え、資産形成を行っている人も少なくないでしょう。しかし、十分に資産形成ができていたとしても、万が一の際に役立たないケースもあると、FPdream代表FPの藤原洋子氏はいいます。本記事では、おひとり様のAさんの事例とともに、資産形成に潜む意外なリスクについて解説します。
ドライブ中に呂律が回らなくなり緊急搬送…年収1,000万円、貯金1,500万円の50歳・独身サラリーマン、病院で「お金が足りません」と嘆いたワケ【FPの助言】 (※写真はイメージです/PIXTA)

脳血管疾患に罹患後、仕事復帰できる割合は?

脳の血管に障害がおきて発生する病気を総称して「脳卒中」といいます。脳の血管が破れるタイプと脳の血管が詰まるタイプとがあります。

 

・脳の血管が破れるタイプ:脳出血 くも膜下出血

・脳の血管が詰まるタイプ:脳梗塞

 

厚生労働省の調査では、2020年時点での脳卒中の発生する割合は、脳梗塞76.1%、脳出血19.5%、くも膜下出血4.5%です。

 

 

脳卒中を発症すると見られる症状は、脳の血管が障害を受けた場所によって異なり、次のような障害が現れます。

 

 

脳血管疾患で治療や通院している方は174万人といわれ、約17%にあたる約29.5万人が20~64歳の勤労世代です。脳卒中になり「働けないかもしれない」と思う方はいらっしゃると思います。しかし勤労世代などの若い方の約7割は、退院時にほぼ手助けが必要ない状態まで回復します

 

復職する方の割合は、発症から時間が経過するにつれて増えていきます。軽度であれば治療を終えた後退院する場合もありますが、機能の回復のためリハビリテーション専門の病院に移る場合が多くなります。最終的な復職率は50~60%になります。

緊急時を想定のうえでリスクに備える

Aさんは、ご本人の頑張りや病院のスタッフなど周囲の人の支えで、3ヵ月後には職場に戻れるまで回復したそうです。

 

Aさんは、「あのときのことは、突然のこととはいっても、姉や友人、会社の方に心配をかけました。同時に励ましやサポートに大変感謝しています。なんとなく資産運用をしていましたが、緊急時に使える現金を準備しておかないといけないことに改めて気が付きました。自分になにかあったときはどのようにするのか、姉と話し合っておきたいと思います」といいました。

 

定年退職したら、世界一周旅行をしたいAさん。どうぞこれからは体調管理に注意してお過ごしください。定年後の生活をどのようにしたいかなども折に触れ話し合っておかれるといいのではないでしょうか。

 

 

 

藤原 洋子

FP dream

代表FP