将来、いくら年金がもらえるかは、老後の生活を考えるうえでも重要なこと。そこで活用したいのが「ねんきん定期便」です。しかし毎年、必ずチェックしたのにも関わらず、実際に手にした年金額をみて衝撃を受ける、というケースが後を絶たないといいます。みていきましょう。
年金月17万円…「ねんきん定期便」で完璧な老後設計の50代・大卒サラリーマン、65歳で受け取る〈本当の年金額〉に絶句「うっ、嘘だろ⁉」 (※写真はイメージです/PIXTA)

65歳から受け取れる年金額を計算してみる

老後の生活を支える公的年金。金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]』(令和4年)をみてみると、「老後の生活資金源」として68.8%が「公的年金」と回答。厚生労働省『令和4年 国民生活基礎調査』によると、「収入の100%が公的年金」と「収入の80~100%が公的年金」という高齢者を合わせると6割にもなりました。

 

いろいろ批判を受けることも多い日本の公的年金ですが、いまの高齢者にとってはなくてはならないものであり、現役世代の人たちにとっても、なくなっては困るものであることに変わりはありません。

 

そんな公的年金。国民年金(老齢基礎年金)と厚生年金(老齢厚生年金)。国民年金は40年間保険料を納めていれば満額受給できると、仕組みとしてはシンプル。問題は、会社員や公務員が上乗せでもらう厚生年金です。

 

老齢厚生年金は、基本的に以下の計算式で算出できます。

 

①加入期間が2003年3月まで

平均標準報酬月額(≒平均月収)×7.125/1000×2003年3月までの加入月数

②加入期間2003年4月以降

平均標準報酬額(≒平均月収+賞与)×5.481/1000×2003年4月以降の加入月数

 

ここで問題になるのが、平均標準報酬額。これは標準報酬月額と標準賞与額の合わせたもの。標準報酬月額は報酬月額(基本給をはじめ、残業手当や家族手当、通勤手当、住宅手当などの各種手当を含んだ金額)を保険料額表の1等級~32等級までの32等級に分け、その等級に該当する金額のことを指します。63万5,000円以上であれば32等級(65万円)となり、これ以上、どんなに収入が高かろうが、これが上限となります。

 

標準賞与額は税引き前賞与のから1千円未満の端数を切り捨てたもの。支給1回(同じ月に2回以上支給されたときは合算)につき、150万円が上限となります。また年4回以上支給される賞与については、標準報酬月額の対象となる報酬とされ、標準賞与額の対象となる賞与とはされません。