「退職金額」を聞かれ、なぜ不機嫌になったのか?
ーー退職金、いくらもらいましたか?
定年退職を迎えた(元)サラリーマンに聞いてみると、さまざまな回答がありそうですが、なかには、
ーーころころ仕事を変えてきたからもらってねーよ
という人も。退職金を受け取るための勤続年数に明確な基準はありませんが、厚生労働省の調査では「勤続3年以上」からとする企業が多かったとか。勤めても3年ももたない、という人は、一度も退職金を手にしたことがない人生を歩んでいる可能性も。さらに、
ーーはあっ、退職金⁉
少々、不機嫌なサラリーマン。どういうことなのでしょうか。同調査によると、退職給付制度がない企業は6.9%。従業員1,000人以上企業で2.5%に対し、従業員50~100人未満企業で121.1%と、企業規模が小さいほど、「退職金がない企業」の割合は増えていきます。
退職金がない理由はさまざまですが、「従業員の流動性が高いことや設立から間がないことなどから従業員の在職期間が短い」が36.6%、「年俸制、出来高払い制など従業員の短期的な実績を重視した賃金体系の中で処遇をしている」18.4%、「そもそも定年制がない」が6.2%でした。
ーー退職金がないなんて……
「退職金が当たり前にある」と考えている人にとって、思わず絶句をしてしまうような回答かもしれませんが、退職金の支払い要件にあたらなかったり、そもそも退職金制度がなかったり。定年を迎えたサラリーマン、意外と退職金をもらっていない人は多いのが現実です。
サラリーマンを一喜一憂させる退職金。しかし「退職金を全額投資、でも大失敗!」などの悲劇は枚挙にいとまがありません。一方、退職金がないなら、ないなりの人生設計を考えるもの。不幸をひとつ回避できたと思えば、退職金がないことも良いことかもしれません。