人間であれば、いつかは訪れるお別れの時。残される人が困らないように色々と準備をしておくことは大切なことです。しかし、どんなに完璧な終活をしたとしても水の泡……という事態か、特に東京をはじめとした都会で起きているとか。みていきましょう。
年金14万円…80代老婦人「私、天国なんていけないわね。」と嘆く理由 (※写真はイメージです/PIXTA)

死亡者数が急増…日本、多死社会

厚生労働省『人口動態調査』によると、2022年の死亡者数は156万9,050人と、前年から12万9,194人増加で、調査開始以来最多を記録しました。人口1,000人あたりの死亡率は12.9で、前年11.7よりも上昇しています。

 

死亡者数は近年増加の一途を辿っています。いまから30年ほど前の1990年、死亡者数は82万0,305人。100万人台となったのは2003年のこと。2011年には120万人台となり、2016年には130万人台、2021年には140万人台と、急激なスピードで増えています。

 

死因をみていくと、「悪性腫瘍」がトップで38万5,797人で、死亡者総数に対して24.6%。日本人の4人に1人はがんで亡くなっています。「心疾患」23万2,964人、「老衰」17万9,529人と続きます。

 

昨今、日本の三大死因といえば、悪性腫瘍、心疾患、そして脳血管疾患でした。そこに老衰が躍り出たわけですが、これは高齢化、長寿化によるもの。厚生労働省の『死亡診断書マニュアル』では老衰について以下のように記されています。

 

死因としての「老衰」は、高齢者で他に記載すべき死亡の原因がない、いわゆる自然死の場合のみ用います。

 

その数は今から30年ほど前の1990年は、2万4,187人だけでした。3万人台になったのは2007年と、つい最近のこと。2010年には4万人台、2011年には5万人台と急激に増えていき、2017年には10万人台に突入しました。

 

日本人の平均寿命は、2022年、男性が81.05年、女性が87.09年。新型コロナウイルス感染症の影響で、2年連続で前年を下回りましたが、今後も長寿化の流れは続くといわれ、それに伴い、老衰で亡くなる人も増えていくといわれています。また死亡数も急激ではないにしろ増え続け、2040年には167万人に達するといわれています。