「やりがいのある仕事」を求める人は多いようですが、業界や企業規模によって給与水準には明確な差が現れます。その後の人生に控える結婚や住宅購入などのライフイベントを考慮すると、「やりがい」だけで勤め先を選択すると、後悔することになってしまうかもしれません。詳しくみていきましょう。
月収40万円、「やりがい」重視の43歳サラリーマン…大学同期“大企業・金融マン”との〈給与格差〉に思わず後悔 (※写真はイメージです/PIXTA)

大卒サラリーマンの平均給与…50代後半でピーク

文部科学省・厚生労働省の調査によると、23年の春に大学を卒業した人のうち、就職を希望した人は全体の75.1%で、就職率は97.3%と、コロナ禍の影響が大きかった前年度から1.5ポイント増加しました。

 

将来に向けたキャリアプランを描きながら就職活動に望み、納得のいく形で就職活動を終えられた人や、業界を絞りきれず、「仕方なくここに就職した」という人など、さまざまでしょう。しかし、このときの選択が10~20年先の給与事情に大きな影響を及ぼすことを想像できていた人は、どれだけいるでしょうか。

 

厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、大学卒・男性正社員の月収は20代前半で23万5,800円、残業代やボーナスを含めた推定年収は348万円ほどです。年齢とともに給与は増え、50代後半で推定年収857万円になります。

 

現在では多くの会社が60歳定年制をとっていますが、その後も嘱託社員など形態を変えて再雇用というケースが多いようです。正社員から嘱託社員・契約社員へと移行した60代前半の年収はピーク時から3割ほど減少するというのが、大卒サラリーマンの平均的な給与の推移です。

 

【年齢別「大卒サラリーマンの給与の推移」】

20~24歳:235,800円/3,486,300円

25~29歳:273,400円/4,609,400円

30~34歳:321,700円/5,449,300円

35~39歳:378,500円/6,370,700円

40~44歳:418,400円/6,934,400円

45~49歳:460,600円/7,564,000円

50~54歳:506,900円/8,372,300円

55~59歳:525,700円/8,576,700円

60~64歳:420,600円/6,428,300円

 

出所:厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』より算出

※数値左:月収(所定内給与額)、右:推定年収