10人中1人が転職結果に「不満」を抱いている理由は?
日本のサラリーマンの間でも当たり前になりつつある転職。会社の将来性や給与、社内の人間関係への不満のなど、勤め先を辞め、新天地をめざす理由は人それぞれですが、厚生労働省の『令和2年転職者実態調査の概況』で「自己都合」による離職理由をみてみると、「労働条件(賃金以外)がよくなかったから」という意見が28.2%で最多。次いで、「満足のいく仕事内容でなかったから」(26.0%)、「賃金が低かったから」(23.8%)が続きます。
同調査で、転職者が現在の職に就くために行った転職活動の内容をみると、転職活動に際し、「準備を行った人」は30.9%。準備内容は、「産業・職業に関する情報等の収集をした」(42.9%)、「キャリアコンサルティングを受けた」(16.0%)といったものが目立ちました。一方で、「特に何もしていない」とする人は66.1%。過半数の人が特別な準備をせず、丸腰で転職活動に挑んでいることがわかります。
転職者が現在の勤め先を選んだ理由は、「仕事の内容・職種に満足がいくから」(41.0%)でもっとも多く、次に「自分の技能・能力が活かせるから」(36.0%)、「労働条件(賃金以外)がよいから」(26.0%)と、転職の決め手として「賃金以外」のポイントを挙げる人が多いようです。
転職後の職場での満足度について聞くと、「満足」が53.4%で最多。2番目以降に「どちらでもない」(34.5%)、「不満足」(11.4%)が並びます。不満の原因を詳しくみると、「賃金」(27.1%)、「労働時間・休日・休暇」(16.3%)、「人間関係」(14.2%)といった項目が目立ちます。
離職理由としては、第3位だった「賃金」が、転職結果に「不満足」な理由としては第1位となりました。
転職後、給与がどうなったかをみてみると、「増加した」が39.0%で、「減少した」が40.1%。「増加」と「減少」が拮抗していることがわかります。転職で給与が減った人の事情を深堀りすると、11.7%が「1割未満の減少」、18.1%が「1~3割未満」、10.9%が「3割以上」。転職者の実に10人に1人が、「給与3割減」という条件で転職していることがわかります。