60歳で定年を迎えたのち、再雇用で会社員を継続。年金受給の始まる65歳に会社員を引退し、夫婦の第二の人生が始まる……しかしすべての夫婦が上手くスタートを切れるとは限りません。みていきましょう。
愛する君へ〈年金17万円〉65歳の夫「生まれ変わっても結婚しよう!」に妻は…衝撃回答に撃沈 (※写真はイメージです/PIXTA)

熟年離婚は増加の一途…なぜ長年付き添った夫婦は別れるのか?

改めての愛の告白を一蹴されるくらいなら、まだマシかもしれません。2度目のプロポーズの答えとして、離婚を切り出されることも考えられなくもありません。

 

一般的に結婚から20年以上たった夫婦の離婚を熟年離婚といいますが、2021年で婚姻20年以上の夫婦の離婚は3万8,968件。離婚件数のうち、実に5件が1件が長年連れ添ったパートナーとの離婚です。女性の就業率が上昇し、「わたし、あなたがいなくても生きていけるわ」という妻が増えたこと、また「離婚時の年金分割」により婚姻期間中の厚生年金記録(保険料の納付実績)を離婚時に夫婦で分け合うことができるようになったことで、熟年離婚は増加傾向にあるといわれています。

 

ところで、なぜ離婚に至ってしまうのでしょうか。裁判所『令和3年 司法統計年報(家事編)』によると、妻から夫に離婚を突き付けた、その理由第1位は「性格の不一致」。「生活費を渡さない」「精神的虐待をする」「暴力を振るう」「異性関係」と続きます。裁判に発展しているケースなので、実際の離婚理由とは差があるかもしれませんが、「ちょっと違う」の積み重ねは埋められない大きな溝に。しかも夫はその事実に気づいていない……熟年離婚のあるある話かもしれません。

 

【離婚理由トップ10】

1位「性格が合わない」37.2%

2位「生活費を渡さない」31.1%

3位「精神的に虐待する」25.8%

4位「暴力を振るう」19.2%

5位「異性関係」13.8%

6位「浪費する」8.6%

7位「性的不調和」6.3%

8位「家庭を捨てて省みない」6.2%

9位「酒を飲み過ぎる」5.9%

10位「家族親族と折り合いが悪い」5.8%

 

出所:裁判所『令和3年 司法統計年報(家事編)』

※数値は女性が申立人の場合

 

年金受給の開始は、夫婦のセカンドライフのスタート。順調な滑り出しを切るためにも、夫婦の“微妙な差”は埋めておきたいもの。少しでも怪しいと思ったら、妻孝行を考えたほうがいいかもしれません。