熟年離婚は増加の一途…なぜ長年付き添った夫婦は別れるのか?
改めての愛の告白を一蹴されるくらいなら、まだマシかもしれません。2度目のプロポーズの答えとして、離婚を切り出されることも考えられなくもありません。
一般的に結婚から20年以上たった夫婦の離婚を熟年離婚といいますが、2021年で婚姻20年以上の夫婦の離婚は3万8,968件。離婚件数のうち、実に5件が1件が長年連れ添ったパートナーとの離婚です。女性の就業率が上昇し、「わたし、あなたがいなくても生きていけるわ」という妻が増えたこと、また「離婚時の年金分割」により婚姻期間中の厚生年金記録(保険料の納付実績)を離婚時に夫婦で分け合うことができるようになったことで、熟年離婚は増加傾向にあるといわれています。
ところで、なぜ離婚に至ってしまうのでしょうか。裁判所『令和3年 司法統計年報(家事編)』によると、妻から夫に離婚を突き付けた、その理由第1位は「性格の不一致」。「生活費を渡さない」「精神的虐待をする」「暴力を振るう」「異性関係」と続きます。裁判に発展しているケースなので、実際の離婚理由とは差があるかもしれませんが、「ちょっと違う」の積み重ねは埋められない大きな溝に。しかも夫はその事実に気づいていない……熟年離婚のあるある話かもしれません。
【離婚理由トップ10】
1位「性格が合わない」37.2%
2位「生活費を渡さない」31.1%
3位「精神的に虐待する」25.8%
4位「暴力を振るう」19.2%
5位「異性関係」13.8%
6位「浪費する」8.6%
7位「性的不調和」6.3%
8位「家庭を捨てて省みない」6.2%
9位「酒を飲み過ぎる」5.9%
10位「家族親族と折り合いが悪い」5.8%
出所:裁判所『令和3年 司法統計年報(家事編)』
※数値は女性が申立人の場合
年金受給の開始は、夫婦のセカンドライフのスタート。順調な滑り出しを切るためにも、夫婦の“微妙な差”は埋めておきたいもの。少しでも怪しいと思ったら、妻孝行を考えたほうがいいかもしれません。