妻とのセカンドライフのスタート…改めて夫婦の絆を確認したら
――汝、病める時も、健やかなる時も、この者を愛し、支え、共に歩む事を約束しますか
そう誓い合い、結婚した夫婦。すべての人がキリスト教式で結婚式を挙げているわけではありませんが、誰もが添い遂げる覚悟をもって一緒になったことでしょう。
それから夫婦はいくつかのビッグイベントを経験。子どもが生まれ、マイホームを購入し……子どもが巣立ったころ、夫は定年を迎え、会社員人生に終止符を打つタイミング。昨今は60歳で定年を迎えたのち、再雇用でそのまま会社員を続行。年金支給が始まる65歳で完全引退、というパターンが多いようです。
65歳から始まるセカンドライフ。そこで生活のベースになるのが公的年金です。厚生労働省の調査によると、厚生老齢年金受給者の受取額は、65歳以上の場合、老齢基礎年金と合わせて平均月17万円程度。妻が受け取る年金が老齢基礎年金だけだとしても、夫婦で手にする年金は月23万円程度になります。
総務省『家計調査 家計収支編』(2022年平均)によると、65歳以上の無職の夫婦世帯、1ヵ月の支出は23万円程度。収入が年金だけの場合、その手取り額から考えて、月2~3万円程度、貯蓄を取り崩して生活することになるでしょう。持ち家で住居費はゼロ(修繕費などは別ものとして考える)とすると、少し節約を心がければ、年金だけで生活することもできそうです。
【夫婦ともに65歳以上の無職世帯の1ヵ月の家計】
◆実収入:246,237円
そのうち公的年金:220,418円
◆実支出:268,508円
そのうち消費支出:236,696円
(内訳)
・食料:67,776円
・住居:15,578円
・光熱・水道:22,611円
・家具・家事用品:10,371円
・被服及び履物:5,003円
・保健医療:15,681円
・交通・通信:28,878円
・教育:3円
・教養娯楽:21,365円
・その他の消費支出:49,430円
出所:総務省『家計調査 家計収支編』(2022年平均)
そんな夫婦の新たなスタートのタイミングで、セカンドプロポーズをする人も多いとか。その名の通り、2回目のプロポーズという意味で、改めて愛の告白をするわけです。
――生まれ変わっても、君と結婚したい
なんて、ロマンチックな告白。夫は喜ぶ妻の顔を思い浮かべながら、色々と言葉を考えるのでしょうか。しかし、そこには微妙な男女差があるようです。
ソニー生命保険株式会社『シニアの生活意識調査2023』によると、「生まれ変わっても今の配偶者と結婚したいか」の問いに、男性は72.5%、女性は56.0%が「はい」と回答。男女ともに半数以上ではあるものの、15ポイント程度の差が生じています。
――はいっ(本当は嫌だけど)
女性のほうが一枚も二枚も上手ですから、ちょっと嘘をついて答えるかもしれません。
――そんなの嫌よ!
そう、一蹴される可能性も。衝撃的な回答に撃沈する夫……そんなパターンも考えられなくもありません。夫婦の絆、夫が思っているほど妻は感じていない可能性は十二分にあると心得ておいたほうが良さそうです。