日本の労働者は約7,000万人で、その3割は非正規雇用とされています。非正規で働く理由はさまざまですが、2割は「仕方なく非正規をやっています」という人たち。そこでの不満はやはり給与。あまりに低収入で、不憫に思われたり揶揄されたりすることもありますが、真に受けるととんでもないことに……みていきましょう。
手取り18万円・40代非正規「生活保護を受ければいいか…」と退職届提出も大後悔のワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

「生活保護と同じ水準」と給与を揶揄された非正規は…

40代であれば、月収24万円、独身であれば手取りは18万円ほどです。同年代でも正社員であれば、会社の重要ポジションに就く人もチラホラ。そんな話が耳に入ってくるたび、

 

――何やってんだろ、俺……

 

肩を落とし、自暴自棄になることも。そんな非正規の惨状を聞いて

 

――手取りで18万円⁉ そんなんで働く意味ある?

――生活保護を受けている人と同じレベル、仕事辞めれば?

 

そう煽る人も。40代独身・東京都23区在住の場合、生活最低費となる生活扶助基準額は7万7,240円、最低家賃に相当する住宅扶助基準額は5万3,700円。合計の生活保護費は13万0,940円。生活保護と同じレベル、というのは言い過ぎのようです。ただ自暴自棄になっているなか「このまま働くのはしんどいし、仕事辞めて生活保護でも受ければいいか」と答える人も。そのあと実際に行動を起こしたのかどうかは分かりませんが、本当に退職届を出したとしたら……取り返しのつかないことになります。

 

最低の生活を保障する生活保護制度は、経済的な自立が叶うまで無期限で支給されます。支給のためには、これ限りではありませんが、以下のような条件をクリアしている必要があります。

 

●最低生活費が基準以下であること

●働きたくても働けないこと

●生活費にあてる財産がないこと

●他の制度を利用しても生活費が足りない

●身内からの援助も期待できないこと

 

つまり「働ける人は、まずは働いてください」ということ。無職だからと申請したところで、受理されるわけではありません。働けるだけ働き、そのうえで他条件も満たしていれば、収入との差額分を支給される可能性はあります。

 

ただ最低賃金が1,000円を超えるとされる昨今、週5で1日8時間働いたら、最低生活費を下回ることはそうそうないはず。外野からの煽りに思わず会社を辞めるのはあまりに軽率だといえるでしょう。

 

「正規雇用として働ける会社がない」という切実な理由の非正規。病気や介護などの事情を抱え、正社員での採用が叶わない人もいるでしょう。しかし給与に不満を抱いているなら、非正規でも給与の良いところに転職するか、または正社員を目指すほか方法はなさそうです。