マイホームを夢みる年収540万円のサラリーマン。現役時代のうちに住宅ローンを完済したい場合、どれほどの頭金が必要で、またどれほどの月返済額を見込んでおけばよいのでしょうか。注文住宅の一次取得者の平均的な姿から、シミュレーションしていきます。
僕の稼ぎじゃ、新築は無理か…年収540万円・40代会社員、住宅ローン〈月16万円〉の返済シミュレーションに絶望 (※写真はイメージです/PIXTA)

平均的なサラリーマンにとって無理のない住宅ローン返済額は?

「トータルで考えれば賃貸のほうがコスパが良い」
「持ち家は資産になるし、売却もできる」

 

賃貸か、あるいは持ち家か。この論争は途切れることなく繰り返されていますが、総務省が5年に1度行っている『住宅・土地統計調査結果』によると、2018年の最新調査で、日本の持ち家率は61.2%。統計をみる限りは、「持ち家派」に軍配があがります。

 

マイホームの購入には数千万円という費用がかかるため、多くの人が住宅ローンを利用します。「夢のマイホーム」と気分が盛り上がって、ギリギリの金額を借りてしまえば、その後の返済には苦しむことになりますが、ローンを利用すれば、マイホームの買い時を逃さずに済む、というのは大きなメリットです。

 

国土交通省『令和4年度住宅市場動向調査』で注文住宅の購入者(一次取得)をみてみると、40歳手前で4,700万円強の物件を期間32~33年の住宅ローンを利用して購入するというのが平均的な姿です。

 

注文住宅購入者(一次取得)の平均像
世帯主平均年齢 39.5歳
購入資金 4,713万円(うちローン3,772万円)
自己資金比率 20.0%
平均返済期間 32,8年
返済負担率:16.4%

出所:国土交通省『令和4年度住宅市場動向調査』
※返済負担率以外は一次取得者に限る

 

「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、日本の40代前半のサラリーマン(正社員)の平均給与(所定内給与額)は33.3万円。残業代や賞与を含めた推定年収は540.6万円です。ローンの適正な返済負担率は年収の20~25%といわれていますので、平均的な年収のサラリーマンの場合、年間返済額は108万~135万円。月々の返済額は9万~11万円ほどであれば、無理なく返していける水準といえそうです。