日本の労働者は約7,000万人で、その3割は非正規雇用とされています。非正規で働く理由はさまざまですが、2割は「仕方なく非正規をやっています」という人たち。そこでの不満はやはり給与。あまりに低収入で、不憫に思われたり揶揄されたりすることもありますが、真に受けるととんでもないことに……みていきましょう。
手取り18万円・40代非正規「生活保護を受ければいいか…」と退職届提出も大後悔のワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

給与アップは絶望的…「ずっと低収入」が確定の非正規

派遣社員や契約社員、嘱託社員、パート・アルバイトといった非正規雇用。英語でいうと「irregular employment」、つまり不規則な雇用で、正社員のほとんどが期間の定めのない契約に基づくのに対し、契約社員や嘱託社員のほとんどは、期間の定めのある契約に基づきます。現在、働く人の3割以上が非正規が占め、働き方の多様化により、その割合は今後も増えていくといわれています。

 

そもそも、なぜ非正規で働くのでしょうか。最多の理由は「自分の都合のよい時間に働ける」で4割、続いて「家計の補助、学費等を得たいから」が3割強。積極的に非正規を選択していたり、家計の足しにしたりという理由が多くを占めます。一方で「正規雇用として働ける会社がない」という切実な理由は2割ほどを占め、正社員を希望したものの就職できず非正規を選択している人が、数にすると400万人ほどいる計算です。

 

なぜ、正社員になりたいのか……それは、安定した職につきたいから。なによりも給与アップを目指したいから。

 

厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、雇用期間の定めがある非正規男性の平均給与は月収で25.6万円、年収で363.4万円。年齢ごとにみていくと、20代前半で月収は19.6万円、年収で267.8万円。20代後半で月収で20万円、年収で300万円を超えますが、正社員のように年齢と共に給与が上がっていく……ということはほぼ見られず、ずっと一定のまま。

 

60代で給与の上昇がみられますが、これは60歳定年で正社員から非正規で再雇用された人も含む数値。そのため給与の上昇がみられると考えられます。学校を卒業して以来ずっと非正規という人は、60代になっても給与は据え置き……というケースがほとんどでしょう。

 

【年齢別「非正規雇用」の平均月収・年収】

20~24歳:196,300円/2,678,200円

25~29歳:223,200円/3,145,200円

30~34歳:238,300円/3,335,500円

35~39歳:233,400円/3,250,800円

40~44歳:241,300円/3,365,000円

45~49歳:244,100円/3,407,000円

50~54歳:245,800円/3,392,400円

55~59歳:246,300円/3,453,600円

60~64歳:289,000円/4,392,400円

 

出所:厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』

※正社員・正職員以外の雇用期間の定め有り、男性、学歴計、従業員10名以上

※数値は左より、月収(所定内給与額)/年収