公務員は原則副業禁止です。しかし、「副業」はダメでも「投資」をすることは禁じられていません。そこで今回は、投資のなかでも特に公務員に向いている「不動産投資」について、向いている理由とともに成功するためのポイントを詳しく解説します。
公務員は「副業禁止」だが...合法的にできる「最大年間500万円の副収入」を得る方法 (※写真はイメージです/PIXTA)

公務員でも投資はできる?

公務員が副業を禁じられている理由や例外的に認められるケース、そして副業はダメでも投資は可能である理由などについて解説します。

 

1.公務員でも投資は可能

公務員は副業こそ禁じられていますが、投資をすることまで禁じられているわけではありません。副業が禁止されている理由は、本業への影響です。民間企業とは違って公務員は税金から給料を得ていることもあり、副業に精を出し過ぎて公務が疎かになってしまうと納税者の理解が得られにくいからです。そのため、厳密に表現すると「労働を伴う副業」が禁じられているわけです。

 

これは逆に考えると、労働を伴わなければ問題はないということです。投資は自分よりもお金を働かせる経済活動なので、労働を伴うことはありません。公務員だからといって株や投資信託、FX、不動産投資などをすることは禁じられておらず、実際に多くの公務員が投資をしています。

 

2.公務員の副業は原則禁止

公務員の副業は、法律によって禁止されています。国家公務員法の第103条と第104条、地方公務員法の第38条のそれぞれで兼業禁止が明記されています。この法律に違反して副業をしていることが発覚すると減給や懲戒などの処分を受ける恐れがあります。

 

3.許可を得れば副業が認められるケースも

法律によって副業が禁止されている公務員ですが、だからといって副業が完全に禁止されているわけではありません。国家公務員法では「内閣総理大臣及び所轄庁の長の許可がない限り兼業してはならない」と規定されているため、上司の許可があれば副業ができる道は残されています。

 

さらに、近年では地方自治体のなかで副業を解禁する動きが見られます。兵庫県神戸市や奈良県生駒市などは地域の発展や活性化などに貢献する業務であれば副業を容認しています。今後こうした動きが広がれば、公務員の副業についてはより柔軟に受け止められるようになるかもしれません。

公務員に向いている投資

ここでは、公務員に向いている投資として3つの選択肢を紹介します。特に不動産投資は公務員である強みを活かしやすいので、おすすめです。

 

1.不動産投資

不動産投資は、アパートやマンションといった収益物件を所有し、入居者からの家賃収入や売却益を狙う方法です。数ある投資のなかでも不動産投資は公務員が取り組みやすく、収入や身分が安定していることから融資を利用しやすいなど公務員特有の強みを活かせます。

 

公務員と不動産投資の関わりについては、人事院規則14-8に重要な規定があります。この規定のなかにある不動産投資に関する部分のみを抜粋すると、以下のようになります。

 

・独立家屋の賃貸については、独立家屋の数が5棟以上であること。
・独立家屋以外の建物の賃貸については、貸与することができる独立的に区画された一の部分の数が10室以上であること。
・不動産又は駐車場の賃貸に係る賃貸料収入の額(これらを併せて行っている場合には、これらの賃貸に係る賃貸料収入の額の合計額)が年額500万円以上である場合

 

つまり、経営している物件が「5棟10室未満で、年間の家賃収入が500万円未満」なら、特別な許可を得ることなく、不動産投資をすることが可能ということです。地方公務員も国家公務員の基準に準じます。ただし、在籍している地方自治体が独自にルールを作っていることもあるので、あらかじめ確認することをおすすめします。

 

2.投資信託

投資家から集めた資金をファンドマネージャーが運用する投資信託は、基本的に「放ったらかし」が可能な投資商品です。そのため公務員の兼業禁止規定に抵触しません。

 

さらに投資信託は株式や債券、不動産などさまざまな金融資産をパッケージ化した商品なので分散性に優れており、リスクを抑えながら資産形成をするのに適しています。

 

3.長期の株式投資

長期的に成長が見込める銘柄、もしくは配当収入が期待できる銘柄を保有するスタイルの株式投資も、投資のことをあまり考えずに取り組めるため公務員向きです。

 

短期目線で頻繁に売買を繰り返すと投資に費やす時間や手間が多くなってしまいますが、長期目線で取り組むのであれば本業への負担はほとんどないでしょう。