老後の生活を支えてくれる公的年金。多くの人が銀行口座や預金口座への振込みを利用していますが、きちんと記帳して確認をしているでしょうか。もしかしたら「もらえるはずの年金がもらえてない!」そんなことがあるかも……みていきましょう。
あれっ、なんか年金が少ないわ…「年金月14万円」の高齢者、通帳記帳して気付いた〈ほんの少しの違和感〉 (※写真はイメージです/PIXTA)

2022年度「年金の未払い」2億3,000万円

年金の振込みが少ないなんて、目の錯覚では?

 

そう100%言い切ることができるかといえば、ちょっと難しいかもしれません。9月11日、日本年金機構は令和4年4月から令和5年3月までの事務処理誤り等について、年次公表を行いました。それによると、2022年度に発覚した「事務処理誤り」の総件数は1,220件。そのうち「年金給付関係」は595件、「国民年金適用・徴収関係」が449件、「厚生年金適用・徴収関係」が176件でした。年金給付関係で最も多い事務処理誤りは「確認・決定誤り」で425件。「説明誤り」が78件、「入力誤り」が32件、「誤送付・誤送信」が22件と続きます。

 

事務処理誤りの結果、1,220件中、570件は「影響なし」でしたが、「未払い」が264件、総額2億3,213万7,924円。1人当たり87万円ほどの未払いがあったという計算になります。このような年金未払い、2021年度は228件、総額1.8億円、2020年度は401件、総額5.9億円、2019年度は443件、総額6億円と、多かれ少なかれ毎年発覚しています。

 

また事務処理の誤りは、その6割が内部の調査等により判明、残り4割は問い合わせなどにより判明しているといいます。数としては少ないですが、どんなことでも絶対はなく、ミスは起きるもの。だからこそ、都度、きちんと確認して、少しでもおかしいと感じたら、問い合わせをすることが大切です。

 

ちなみにミスには「過払い」もあり、2022年度は177件発覚。金額で6,566万4,123円、1人当たり37万円ほど、「年金を余計に払ってしまった」ということがあったといいます。もし年金の過払いが発生した場合、年金事務所と相談のうえ「返納方法申出書」を提出しなければなりません。

 

――すみません、年金を多く払ってしまったようで

 

そんな泣くに泣けないミスもゼロではないのです。