“自称親戚”の女性「土地を売りたいから署名捺印して」…都内在住の36歳・会社員が知らぬ間に「東北の土地の所有者」になっていたワケ【司法書士が解説】

“自称親戚”の女性「土地を売りたいから署名捺印して」…都内在住の36歳・会社員が知らぬ間に「東北の土地の所有者」になっていたワケ【司法書士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

都内在住のAさん(36歳・男性)はある日突然、親戚を名乗る女性から「土地を売りたいから署名捺印してほしい」といった内容の電話を受けました。司法書士法人永田町事務所の加陽麻里布氏は、こうした「知らないあいだに自分が土地の所有者になっていた」というケースは多々あるといいますが、原因はどこにあるのでしょうか。事例をもとに、予防策と対処法についてみていきましょう。

相続人が借金をしていて、「代位登記」されていることも

2.代位登記がされた場合

もうひとつ、代位登記がされたということも考えられます。

 

「代位登記」とは、登記権利者(相続人)に代位して(=相続人の代わりとなって)、第三者が相続登記を申請することをいいます。代位登記ができる要件は法律で定められており、民法423条の「債権者代位権」という権利を根拠に手続きを行います。

 

たとえば、相続人が第三者から借金をしていてその返済が滞っている場合は、債権者である第三者がその債権を保全するために、相続人(債務者)に代位して不動産の相続登記を行います。

 

債権者代位による登記というのはそもそも、「差押登記」や「競売」をする前提として行われます。

 

差し押さえをする場合、不動産の相続登記を行い、債務者である相続人名義にしておかなければ差押えができません。しかし、債務者(相続人)がみな自主的に相続登記をするとは限りませんので、債権者が自主的に登記しない相続人に代位して登記申請することが認められています。

 

まとめ

今回紹介したように、「知らぬ間に土地の所有者になっていた」というケースは実際に起こり得ます。こういった事態を防ぐためには、相続が発生した場合は相続登記を速やかに行い、相続人に借金を抱えてる人がいないかどうか調べておくなどといった対処が必要です。

 

また、「勝手に土地の所有者になっていたが、勝手に相続放棄されていた」といった場合は、登記の抹消や移転などを行うことで是正することができます。

 

相続放棄をするにしろ、相続するにしろ、いずれにしても手続きを放置することなく、速やかに対応を行うことが後のトラブル回避につながりますので、なにか心当たりのある方はぜひとも早めに行動することをおすすめします。

 

<<<【司法書士が解説】知らぬ間に土地の所有者になっていた〜事例と予防策を解説〜>>>

 

 

 

加陽 麻里布

司法書士法人永田町事務所

代表司法書士

 

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