高齢者が働くうえで足枷になっていた「在職老齢年金制度」の基準が2022年4月から変わり、働く高齢者は今後ますます増えそうな予感。一方で怒りが収まらない人もいるようで……みていきましょう。
衝撃!「年金、まさかの減額」65歳・現役サラリーマン〈働き損〉怒りのあまり身震い (※写真はイメージです/PIXTA)

制度改定で「年金をもらいながら働く」がもっと身近に

――定年後も働くかって? そりゃ働きますよ。年金がもらえるようになるまで5年、ありますからね

 

昨今、60歳を定年とする会社がほとんどですが、現行、年金支給は原則65歳から。仮に60歳で仕事を辞めると、多くの人は「収入ゼロ」の期間が5年間生じることになります。その空白を埋めるためにも、60歳以降も働く人は増加傾向。総務省『労働力調査』によると、2022年、「60~64歳」で働いている人は73.0%、「65~69歳」では50.8%、「70~74歳」で33.5%、「75歳以上」で11.0%となっています。

 

少なくとも、「60歳で仕事辞めた!」という人は3割もいないというの現実。そして年金がもらえるようになったからといって「無職」となるのは半数。70代になっても3割以上が働いています。

 

少子高齢化が進むなか、各所から「人手が足りない!」というSOSが聞こえてきますから、定年後も働く意欲のある高齢者はウェルカム。一方で、

 

――働けるものなら働きたいけど、年金が減らされるのは……

 

そんな人も多くいます。年金が減らされるというのは「在職老齢年金制度」のことで、これは70歳未満の人が厚生年金に加入した場合や、70歳以上の人が厚生年金保険の適用事業所で働いている場合、「老齢厚生年金月額」と「総報酬月額相当額」に応じて、年金の一部、または全額が支給停止になるというもの。その境界線が以前は28万円で、すぐに超えてしまうようなものでした。年金が減額されるくらいなら仕事は辞める、という選択になっていたわけです。しかし、

 

――もう少し長く働いてほしい

 

そんな思惑もあり、在職老齢年金の適用収入条件は引き上げられ、48万円以上となりました。高齢者に「年金をもらいながら働く」という選択肢が、もっと身近になったわけです。