融資審査が終わると、金融機関側からは融資条件が提示されます。その際、最初に提示される条件をそのまま受け入れず、できるだけ安い金利を交渉するには、どうすればよいのでしょうか? 本記事では、融資の教科書製作委員会の著書『現役&元銀行員が本音で教える! 初心者も経験者も不動産投資をはじめる前に読みたかった 融資の教科書』(ごきげんビジネス出版)より、不動産投資ローンの融資条件の効果的な交渉方法について解説します。
「A銀行より金利が安ければ取引します」はNG!? 銀行から「よりよい融資条件」を引き出す交渉方法【現役・元銀行員が解説】

融資実行、返済スタート

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返済の日付は家賃振り込み日のあとに指定する

融資実行後、金融機関が指定する日付で返済がスタートします。金融機関が指定する日付とは、10日・15日・20日・25日が多く、こちらから指定できることもあります。基本的には物件から入ってくる収入で返済を行いたいため、家賃振り込み日のあとに指定するのがいいでしょう。そうすれば家賃が入ってくる限り、返済が滞ることもありません。

 

次回の融資のため、金融機関に定期的な「報告」をする

ここから、いよいよ不動産の運営に移ります。運営がはじまれば、金融機関との関係は終わりではありません。次の融資をしやすくするため、また金利を交渉するため、金融機関に「報告」をする必要があります。

 

報告とは、たとえば「こんなリフォームして部屋がこれだけキレイになりました」「いくらお金をかけて外壁塗装をしました」「物件購入後1か月で空室がすべて埋まりました」「写真でのビフォーアフターはこちらです」といった経過を伝えましょう。大半の人は報告をしませんが、必ずするべきです。

 

なぜなら、こういった借主が「工夫を凝らして結果を出した」という事実がプラスの材料となり、次の融資時の稟議書に書きやすくなるからです。前回の融資時、リフォームもばっちりしてくれて、空室もすぐに埋めて、満室経営が続いている、といった事実を稟議書に書けるわけですね。こちらでプラス材料をまとめ、担当者に「以前に融資をしていただいた物件の現状です。満室になりましたし、リフォームも頑張りました」と渡すのがオススメです。

 

融資が実行されたあと、いかに早くその物件を満室にして、建物をキレイにして価値を高め、入居率を上げるか。空室がある物件ほど、「1か月で埋めました」「リフォームをして、こんなにキレイにしました」となれば、融資先としてもうれしいものです。

 

家賃収入の入金先は、その融資先の金融機関の口座にしてください。もちろん、融資時に金融機関からいわれると思いますが、その融資物件の家賃のみで返済ができている証明にもなります。

 

融資実行後に最もやってはいけないこと

融資実行後に最もやってはいけないのが、返済ができない(残高がない)状態にすることです。たとえば、50万円の収入があって30万円の返済がある場合、毎月その状態が継続すれば返済できるのですが、何かのきっかけで引き落としが重なり、お金を戻すのを忘れていて、30万円の返済ができないとなると「滞納」と同じなので、印象は最悪です。口座残高は常に余裕がある状態にしておきましょう。

 

※本記事は『現役&元銀行員が本音で教える! 初心者も経験者も不動産投資をはじめる前に読みたかった 融資の教科書』(ごきげんビジネス出版)一部を抜粋し、幻冬舎ゴールドオンライン編集部が本文を一部改変しております。