共働き妻「夫の信用力を使って不動産投資を始めたい!」
【プロフィール】
鈴木利恵さん(仮名)
35歳
会社員
年収300万円
家族構成:夫とふたり暮らし
資産:車とマイホーム、自己資金1,000万円
東証プライム上場企業に勤める夫(年収1,200万円)の信用力を使って、不動産を購入したいと考えている。夫は協力的だが、不動産は妻に任せっきりで、関与しようとはしていない。ワンピースを着用。
6人の現役&元銀行員たちの査定結果は?
Aさん(50代・都市銀行)の回答
→「プロパーでの融資は無理なので、ビジネスローンで申し込みをしていただき、スコアリング(年齢や年収、職業や家族構成などあらゆる要素を機械が点数化)審査します」
【Aさんの略歴】
一般店と都心店で融資課長12年、法人営業7年。取引額約300億円、案件数800件以上。
Bさん(40代・地方銀行)の回答
→「本人とご主人さまの属性などヒアリングし、具体的な購入希望物件があれば物件の概要もあわせてヒアリングします。ひととおりヒアリングを済ませたあとに、ご主人同伴での再来店を要請します(基本的に採り上げする方向)」
【Bさんの略歴】
営業課長1年、融資課長1年、法人営業15年(内、不動産業者専門部隊2年、法人アウトバウンドコールセンター2年)。リスケ先に対し他行含む1本化で正常債権へ転換。温泉掘削プロジェクトに20億円融資、分譲マンションプロジェクト多数。全店表彰で金賞3回。取引額120億円程度、案件数200件以上。
Cさん(40代・信用金庫)
→「お話は聞きます。連帯保証人(ご主人さま)にも入ってもらい、ふたりで運営するようアドバイスします」
【Cさんの略歴】
法人融資営業7年、経営企画部3年半。経営企画部で金庫全体の中期計画策定、新店出店の計画、融資リスクの管理、財務局、日本銀行との交渉など。預金店舗から融資店舗に切り替えた実績があり。取引額100億円程度、案件数200件以上。
Dさん(30代・信用金庫)
→「ご主人さまは保証人として取る前提で面談を受けます。融資するとは限りません」
【Dさんの略歴】
支店3年、本店営業部1年、法人営業部(現在)5か月。同新規案件を取得数が同期で1番。取引額約50億円、案件数50件以上。
Eさん(20代・信用金庫)
→「ご主人さまに借りてもらうのがベストですが、連帯保証人として検討します。自己資金を多く入れれば、奥さまでも対応できるかもしれません」
【Eさんの略歴】
法人営業2年半。融資商品内容を精査し、お客さまにいちばん合うかたちで財務改善を行うことができた実績あり。取引額約10億円、案件数7件以上。
Fさん(40代・信用組合)
→「ご主人さまの与信を使ってとなれば、保証人となる可能性もあります。民法の改定により手続きが必要になるため、『ご主人さまにも不動産の内容を理解してもらわないといけません』とお伝えします」
【Fさんの略歴】
法人営業10年。融資部門成果TOP3以内四度獲得。取引額90億円程度、案件数250件以上。
元・現役銀行員たちの回答まとめ
基本的に妻ひとりでの融資は不可であり、夫が連帯保証人に入る、もしくは自己資金を多く入れなければなりません。また夫にも不動産の内容を理解してもらい、面談にも立ち会ってもらう必要がある、という回答が多く出ました。
筆者からのアドバイス
まずは夫の協力を得ることからはじめましょう。夫婦で不動産の内容を理解し、投資・事業・経営を行っていくとはどういうことなのかを、ふたりで考えましょう。理解を得たあと、「どの程度の自己資金を投入できるのか」をあらかじめ調べてください。
また回答にあったように、購入を検討している物件情報を銀行へ持っていくのがベストでしょう。つまり、この時点でどのような物件を買いたいのかを決め、査定する能力が必要です。どんな物件であれば融資がつきやすいのか? 面談時に銀行員へ聞いてみてください。
※本記事は『現役&元銀行員が本音で教える! 初心者も経験者も不動産投資をはじめる前に読みたかった 融資の教科書』(ごきげんビジネス出版)一部を抜粋し、THE GOLD LINE編集部が本文を一部改変しております。