借入100億円、家賃収入10億円のギガ投資家
【プロフィール】
島村清二さん（仮名）
50歳
専業大家
家賃収入10億円
家族構成：3人
資産：全国に不動産を所有
借入100億円の大規模大家。取引銀行数も非常に多く、全国で不動産を購入している。宅建免許は掲げていないが、固定資産売却益が毎年ある。金利平均1％。ラフな服装。
6人の現役&元銀行員たちの査定結果は？
Aさん（50代・都市銀行）の回答
→「1億円以上であれば、プロパー融資を検討します」
【Aさんの略歴】
一般店と都心店で融資課長12年、法人営業7年。取引額約300億円、案件数800件以上。
Bさん（40代・地方銀行）の回答
→「まず、これだけのメガ大家さんが、なぜ当行に来店されたのかを聞きます。他行の融資取組姿勢に変化はないか？ 宅建業免許は必要ないのか？ ……などをヒアリングします。どこまで家賃収入を伸ばすつもりなのかもヒアリングします。他行との競合が見込まれるので、当行で認可を得た場合には、『当行で借入してくれますか？』と念を押します」
【Bさんの略歴】
営業課長1年、融資課長1年、法人営業15年（内、不動産業者専門部隊2年、法人アウトバウンドコールセンター2年）。リスケ先に対し他行含む1本化で正常債権へ転換。温泉掘削プロジェクトに20億円融資、分譲マンションプロジェクト多数。全店表彰で金賞3回。取引額120億円程度、案件数200件以上。
Cさん（40代・信用金庫）の回答
→「個人的にはズブズブになるくらい入り込み、貸し込みます。成績上位になるくらい協力をしてもらいます」
【Cさんの略歴】
法人融資営業7年、経営企画部3年半。経営企画部で金庫全体の中期計画策定、新店出店の計画、融資リスクの管理、財務局、日本銀行との交渉など。預金店舗から融資店舗に切り替えた実績があり。取引額100億円程度、案件数200件以上。
Dさん（30代・信用金庫）の回答
→「ありがたく面談に応じます。ただし、決算や中身の確認はしっかりヒアリングします」
【Dさんの略歴】
支店3年、本店営業部1年、法人営業部（現在）5か月。同新規案件を取得数が同期で1番。取引額約50億円、案件数50件以上。
Eさん（20代・信用金庫）の回答
→「実績・経験・取引行も多く、借入しやすい状況であり相談しやすいです。しかし、信用金庫など不動産融資に消極的なところは厳しいかもしれません」
【Eさんの略歴】
法人営業2年半。融資商品内容を精査し、お客さまにいちばん合うかたちで財務改善を行うことができた実績あり。取引額約10億円、案件数7件以上。
Fさん（40代・信用組合）の回答
→「所有物件の明細と借入の明細を持参してもらい、資産査定を行います」
【Fさんの略歴】
法人営業10年。融資部門成果TOP3以内四度獲得。取引額90億円程度、案件数250件以上。
元・現役銀行員の回答まとめ
「全国で購入している」「宅建免許を掲げていない」点について問題視する金融機関はなく、財務状況さえよければ積極的に取引したい、というところがほとんどでした。一方で、「これだけの規模なのに、なぜうちに？」といった疑問をもつ金融機関もありました。
筆者からのアドバイス
「なぜ、その金融機関でないとダメなのか？」について、説明できるようにしましょう。今後の取引が見込める金融機関への借り換えを検討し、金利交渉や条件交渉ができるようにすると、より関係性が築けます。また、相続や後継者について聞かれることも多くなるため、今後の展望を見据え、銀行員へ伝えられるように準備が必要です。
資産査定をされた際に足を引っ張る物件を売却し、高評価な物件を残すことで、さらに条件がよくなるようにすれば、どのような金融機関でも取引できるでしょう。
※本記事は『現役&元銀行員が本音で教える！ 初心者も経験者も不動産投資をはじめる前に読みたかった 融資の教科書』（ごきげんビジネス出版）一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
