「結婚」は人生において大きなライフイベントのひとつです。婚約や挙式には多くの出費が伴うため、近年はあまりお金をかけずに結婚する夫婦も多いようです。本記事では、Aさん(28歳・OL)の事例とともに、貯金ゼロの状態から結婚する方法について、FP1級の川淵ゆかり氏が解説します。
年収400万円の28歳・アパレルメーカー勤務女性〈実家暮らし・貯金ゼロ〉だが…「いますぐ彼氏と結婚したい!」実現させる現実的な方法とは【FPの回答】 (※写真はイメージです/PIXTA)

新型コロナで激減した結婚費用

「ゼクシィ結婚トレンド調査**」によると、結納・婚約~新婚旅行までにかかった費用(首都圏)は、

**出典:ゼクシィ 結婚トレンド調査2021調べ(首都圏)

 

・2019年 487.6万円

・2020年 493.8万円

・2021年 393.4万円

 

と、新型コロナの影響からか、2021年には前年に比べると100万円も減っています。近年は、お葬式にもお金をかけなくなってきています。物価高もあり、今後も冠婚葬祭にお金をかけない風潮は続くと考えています。

「どうしてもウェディングドレスを着たい!」Aさんの結婚資金計画

筆者は、籍だけ入れるだけでも幸せではないか、とも考えましたが、「ウェディングドレスを着て、天国のお父さんとお母さんに見せてあげたい」というAさんの希望もあり、結婚式の資金計画を考えることにしました。

 

結婚式や新婚旅行の費用の折半分として、200万円を目標とした資金計画を立てることにしました。年収400万円のAさんの手取りは、毎月の手取りが約20万円の給料とボーナス分になりますが、短期間での資金作りなので、収益はほとんど見込めません。

 

1年半(18ヵ月)で200万円を作るとすると、

 

・毎月5万円×18ヵ月=90万円

 

・ボーナス40万円×3回=120万円

 

と、合計で210万円を作ることができます。

 

ちなみに総務省の「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要」によると34歳以下の女性単身世帯の1ヵ月の消費支出は次のようになっています。

 

支出項目 支出額(円)
食料 30,921
住居 41,613
光熱・水道 8,957
家具・家事用品 4,259
被服及び履物 8,039
保険医療 4,655
交通・通信 20,508
教育 0
教養娯楽 20,877
その他 23,301
合計 163,130

 

Aさんは長年苦労されてきたので節約にも慣れていますから、今の生活のままでも工夫をすれば1年半で200万円を貯めることも難しくないでしょうが、大きい支出は家賃ぐらいなので、

 

・小さい部屋に引っ越す。
・結婚後に2人で住む部屋を探して、先に引っ越してしまう(家賃は折半してもらう)。
・彼氏の住まいに同居させてもらう。

 

といった方法で、家賃を節約することができます。家賃を節約することができれば、毎月の積み立てはさらに増やすことができますので、もう少し早く目標は達成することも可能です。

 

なお、新型コロナの影響もあって、現在は数万円~で可能な「フォトウェディング」というものもあります。結婚式や披露宴は行わず、名前のとおり写真だけのウェディングになります。花嫁姿などを思い出として写真に残すもので、撮影場所はスタジオだけでなく、チャペルや海外など希望や予算に応じて撮影してくれます。

 

相手のご両親等の理解も必要ですが、こういったプランを利用すれば、貯蓄がなくてもすぐに結婚をすることは可能です。私も母親の介護を十数年してきた経験がありますので、Aさんには是非幸せになってもらいたいと願っています。

 

 

川淵 ゆかり

川淵ゆかり事務所

代表