共働きの夫婦の場合、二人で住宅ローンを借りる「ペアローン」を利用してマイホームを購入できるケースがあります。単純に考えて、二人でローンの返済をするため、一人に比べてローンの返済能力が上がり、より希望に近い物件が購入できるようになるのではないかと想像できます。しかし、ペアローンには安易に利用すると後で困ることになるようなデメリットもあり、良く内容を理解してから慎重に利用する必要があります。
【住宅ローン】夫婦で借りる「ペアローン」のメリット・デメリット (※写真はイメージです/PIXTA)

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ペアローンとは

同じ一軒の家に対して夫婦それぞれで別々に住宅ローンを組み、お互いが相手の住宅ローンの連帯保証人になる契約です。この場合の家の持ち分は、原則、借入金額の割合と同じになります。また、契約の際は夫婦それぞれが団体信用生命保険へ加入することが必要です。

 

 

ペアローンを選ぶ理由

一人だけでローンを組むと借入可能額が希望額に届かない場合は、ペアローンにすることで借入可能額を増やすことができます。また、住宅ローン控除が二人分になり、節税効果を上げられます。なお、夫婦それぞれで別の金利プラン(固定金利や変動金利など)を選択することも可能です。

 

◆ペアローンのメリット

借入希望額が増えて購入可能な物件が増える

二人にそれぞれ住宅ローン控除が適用され節税効果が上がる

ペアローンの注意点

住宅ローンを2つ契約することになるので、諸費用の負担が2倍になります。また、返済中に退職しても支払い義務は続くため、完済まではお互い働き続ける必要があります。なお、仕事を辞めて所得税の支払いがなくなると、住宅ローン控除の適用もなくなります。

 

夫婦間のリスクとして離婚がありますが、もし住宅ローン完済前に離婚してしまうと、家の財産分与が絡み揉めやすいです。もし、返済初めのころに離婚してしまうと、2人の年収分で組んだローンのため、一本化など簡単に借り換えができない場合もあり注意が必要です。

 

◆ペアローンのデメリット

住宅ローン契約の諸費用が2倍かかる

退職後も支払いが続き、住宅ローン控除もなくなる

完済前に離婚した場合のリスクが大きい

ローンの借り換えが簡単ではない

支払できなくなると相手に支払い義務が生じる

 

◆参考:家の財産分与

財産分与は原則半分ずつと決まっているため、購入時の持ち分に関係なく、財産は半分ずつで分け合います。

不動産の場合の財産分与は「売却」か「譲渡」で行います。

【売却の場合】

 物件を売却して得た利益を折半して、お互いローンの返済に充てます。

【譲渡の場合】

 物件の所有権を相手に譲り、物件を貰った側は物件の査定金額の半分を相手に渡す。

 ただし、ローンの返済中は金融機関の許可なしでは譲渡ができない可能性があります。

 

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