テクニカル分析専門サイト「テクニカルブック」は、今までに投資の経験がない1,095名を対象にアンケート調査を行いました。この調査によって、貯蓄額が増えるほど新たに投資を始める意欲が弱まり、物価上昇によって「現預金」の資産価値が目減りする「投資しないリスク」への評価も低くなる傾向がみえてきました。※本記事は、株式会社アドバンが2023年7月7日に発行したリリースを転載したものです。
貯蓄額1,000万円以上では「投資しないリスク」に無警戒な人が50%超…物価上昇で浮き彫りになる資産防衛上の課題 (※写真はイメージです/PIXTA)

6.貯蓄額3,000万円以上で「投資しないリスク」を警戒しているのは5人中1人だけ

 

 

物価の上昇により貯蓄の価値が目減りする「投資しないリスク」に関する認識を質問したところ、もっとも多かったのは「分からない」の35.2%でした。一方、「とても大きいリスクだと感じる/大きいリスクだと感じる」は33.9%、「とても小さいリスクだと感じる/小さいリスクだと感じる/リスクはないと感じる(貯蓄がもっとも安全だと思う)」は31.0%となっています。

 

 

この割合を貯蓄額別に集計してみると、「とても大きいリスクだと感じる/大きいリスクだと感じる」の割合がもっとも低いのは貯蓄額3,000万円以上で21.7%、続いて貯蓄額1,000万~2,999万円の24.3%、貯蓄額500万~999万円の33.9%となりました。

 

また、「とても小さいリスクだと感じる/小さいリスクだと感じる/リスクはないと感じる(貯蓄がもっとも安全だと思う)」の割合がもっとも多いのも貯蓄額3,000万円以上で54.3%、続いて貯蓄額1,000万~2,999万円の50.4%、貯蓄額500万~999万円の40.0%という形です。

 

これらのことからは、貯蓄が多い人ほど投資しないリスクを小さく評価する傾向があることが推測されます。

 

◆投資未経験者の投資意思と貯蓄額の関係性に見られる課題

今回の調査結果からは、投資未経験者のうち将来的には投資を考えている人は37.1%であり、投資先としては株式を考えている人がもっとも多いことが分かりました。また、投資する意思がある割合は若い人の方が高く、年齢が高くなると低くなっていくなど、いくつかの傾向があることも分かりました。

 

とくに興味深かったのが、投資未経験者は貯蓄額が1,000万円を超えると投資意思が弱くなるとともに、いわゆる「投資しないリスク」を小さく評価する傾向がみられる点です。貯蓄額が大きいほど物価上昇によって受ける影響も大きくなることを踏まえると、資産防衛の観点からは課題があるといえるかもしれません。