近年、20年以上の婚姻期間の末に離婚を決断する「熟年離婚」の割合が増加しています。とくに熟年離婚においては、老後の生活が差し迫っているため、慰謝料・財産分与・年金分割などお金に関する問題はよりシビアに考えておく必要があります。本記事では、Aさんの事例とともに、専業主婦の熟年離婚によるマネープランの考え方について、FP1級の川淵ゆかり氏が解説します。
月収150万円の58歳夫と「別れたい、でも年金は十分受け取りたい」…専業主婦の55歳妻の15年におよぶ“緻密な計画”【FPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

60代、女性の一人暮らしにかかるお金

離婚した後に毎月どのくらいの支出があるかを把握しておくのは非常に重要です。総務省の「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要」によると60歳以上の女性単身世帯の1ヵ月の消費支出は次のようになっています[図表]。

 

出所:総務省の「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要」
[図表]「60歳以上の女性単身世帯の1ヵ月の消費支出」 出所:総務省の「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要」

 

あくまでも平均の金額ですから目安にして自分自身で作成してみてください。特に住居にかかる金額は「住宅ローンがあるか」「家賃支払いがあるか」によって大きく金額が変わってきます。

 

離婚後の一人暮らしで家賃を支払い続けるとなると家計に大きな負担になってきます。家賃の値上がりも考えられますので、離婚の際は生涯の住まいについてもしっかり考えておきましょう。

Aさんのその後

Aさんに連絡してみると、いまはお母さんとのんびり暮らしているそうで「離婚までに本当に時間がかかりましたが、いまはとても幸せです。ご飯を作ったり洗濯物を取り込んだりする度に、実の娘なのに母は『ありがとう』と言ってくれます。別れた夫からは『ありがとう』なんて言ってもらえた記憶はありませんでした」とおっしゃいました。

 

もし、結婚生活のあいだに旦那様が「ありがとう」や「ごめんね」と度々声をかけていれば、Aさんの結婚生活は素晴らしいものになっていたのではないか、と感じました。

 

※相談者の了解を得て一部脚色して記載しています。

 

 

川淵 ゆかり

川淵ゆかり事務所

代表