レントゲンを撮ったのに“わかりませんね”…医者も見過ごしがちな「原因不明の腰痛」の正体【専門医が解説】

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レントゲンを撮ったのに“わかりませんね”…医者も見過ごしがちな「原因不明の腰痛」の正体【専門医が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

「腰が痛い」という理由で整形外科を受診したものの、原因が見つからなかったという経験はありませんか? もしかしたらその痛みの原因は、腰ではなく股関節にあるのかもしれません。今回は、見過ごされがちな「股関節」の疾患について、東京ヒップジョイントクリニックの狩谷院長が解説します。

原因不明の腰痛は「変形性股関節症」かも

働き盛りの皆さんのなかには、腰の痛みに悩まされている人も多いはずです。

 

そこで整形外科を受診し、レントゲン検査やCT検査などを受けても、原因がわからないと言われてしまうケースも少なくありません。しかし実は、その腰痛の原因は「股関節」にある可能性があります。

 

特に、腰だけでなく太ももや膝などに突発的に痛みが出ている場合には、腰ではなく股関節に原因がある可能性があります。

 

股関節が負担すべき衝撃が腰へ…変形性股関節症のしくみ

そもそも、股関節と腰痛は非常に間違われやすく、痛みが生じる部位なども似ているため、誤診されやすいという特徴があります。腰痛も股関節痛も、ともに「関節の変性」が原因となって痛みが生じる場合があるからです。

 

関節の変性を引き起こす疾患の代表格は「変形性股関節症」です。これは、加齢による股関節の軟骨の変性により、股関節自体も変形してしまい、痛みや機能障害が起きたり、歩行困難になったりします。重症化すると、股関節を「人工股関節」に置き換える手術が必要になります。

 

股関節は「球関節」の一種であり、非常に可動域が広いのが特徴です。しかし、股関節の変形が進んで股関節の可動域が制限されると、本来なら股関節が負担すべき衝撃が隣接する腰へと伝わり、腰痛を発症させてしまうのです。

 

たとえば、テニスのラケットを振るとき肩ではなく、腰をねじるようにして振ろうとしたら、たちまち腰痛が生じてしまうのと同じ感覚です。

 

[図表1]変形性股関節症
出所:著者による書き起こし

 

原因は「腰」か「股関節」か…腰痛の“見極め方”

腰に原因がある痛みは、脚の外側、すなわちお尻(臀部)から脚にかけて神経が通っているため、お尻や太もも、すねなど、流れに沿って症状が出ることがほとんどです。

 

したがって、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)、腰椎変性すべり症など、腰に原因がある疾患の場合は、神経の流れに沿って痛みや症状が現れます。

 

一方、股関節に原因がある場合には神経を刺激することがないため、「右腰」「左脚のふくらはぎ」などに、単発で痛みの症状が現れます。これにより、「股関節に原因があるのか?」それとも「腰に原因があるのか?」を見分けることができるでしょう。

 

また、変形性股関節症が原因と疑われる場合には、痛みが股関節や腰のどちら側に出ているかによって、左右どちらの股関節で変形が起きているのか見当をつけることができます。もし、右側の股関節で変形が起きている場合には、通常、右側の腰や股関節などに痛みが出ます。

 

しかし、症状が末期の場合は痛みがひどいため、無意識に股関節の可動域を極端に制限してしまい、変形が起きている股関節とは反対側の腰や股関節に症状が出ることもあります。

 

ちなみに、変形性股関節症の患者443名を対象に痛みが現れる場所を尋ねたところ、以下のような結果となりました。

 

鼠蹊部……89%
臀部……38%
大腿前方……33%
膝前面……29%
大転子部……27%
腰痛……17%
下腿部痛……8%

 

また、左右ともに股関節が悪い人の方が、他の部位での痛みが出やすいことも明らかになっています。

※ Nakamura J,Oinuma K,Ohtori S,et al.et al.Distribution of hippainpatientsu pai in osteoarthrithis patients secondry to developmental dysplasia of the hip. Mod Rheumatol.2013 Jan;23(1):119-24
 

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