“下肢がしびれる”…1年以上椎間板ヘルニアに悩まされたTさん
椎間板ヘルニアは、遺伝的要因をはじめ、日常生活における腰への負担や加齢など、さまざまな要因によって発症します。投薬や注射で痛みをカバーできるうちはまだいいですが、ひどい場合には足にしびれや麻痺が出たり、歩行困難になるケースもあります。都内に住むTさんも、そのうちの1人でした。
痛み止めを飲み続けるも、保存療法ではらちが開かず…
Tさんは、70代の男性。13年前、右腰の痛みを感じて自宅近くの整形外科を受診したところ、椎間板ヘルニアと診断されたそうです。
2週間入院してブロック注射の治療を受け、痛みはだいぶ少なくなりましたが、7年後に今度は左腰に痛みを発症しました。受診すると、椎間板ヘルニアに加え「脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)」も併発しているといわれたそうです。
脊柱管狭窄症とは、椎間板が突出したり、骨そのものが変形したり靭帯が肥厚することによって脊柱が狭くなって脊髄が圧迫され、腰痛や下肢のしびれ、痛みなどを引き起こす状態のことをいいます。1ヵ月間入院し、ブロック注射の治療を受け、症状は改善したものの、その後は痛み止めとしびれ止めの薬を毎日服用するようになりました。
痛み止めを飲んでいるあいだはなんとか症状を抑えることができますが、徐々に背中の筋肉が腫れ上がるほど症状が悪化し、我慢の限界で当院を受診されました。
100m先のコンビニまでも歩けない状態に
当院での初診当時は、痛みやしびれのため、右足を地面につけることもできない状態でした。安静にしていても、寝るときも痛みが生じ、100m先のコンビニにも歩いていくことができません。当院でレントゲンとCT検査を行い、前医から引き継いだMRI検査の画像を見たところ、はっきりと椎間板が傷んでいる様子がわかりました。
さらにTさんの場合、先述の椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症に加えて「変性側弯症(へんせいそくわんしょう)」も併発していました。
変性側弯症とは、脊椎が左右に曲がっている状態のこと。椎間板ヘルニアにこれらが合わさっているケースは決して珍しくなく、Tさんの場合もレントゲンなど画像検査の結果から、合併していることは明らかでした。
筆者は、「排泄障害が起きる1歩手前で、重症度は非常に高い」と診断しました。
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