世界的にも豊かな日本ですが、「隠れた貧困」は身近に存在します。しかも貧困が貧困を生む……そんな連鎖が未来永劫、続いていくのです。悲劇として言いようがない「貧困の連鎖」についてみていきましょう。
すまん、食べるものも買えない…年収130万円以下「親の低収入」が子に連鎖する「貧困家庭」の辛すぎる悲劇

世界主要国「貧困率」ランキング…日本の順位は?

OECDによると、世界主要国の相対的貧困率のトップは「南アフリカ」で27.7%。「ブラジル」「コスタリカ」「ルーマニア」「イスラエル」と続きます。そこで日本は、というと12位で15.70%(2018年データ)。トップ10目前でした。

 

【世界主要国「貧困率」上位10】

1位「南アフリカ」27.70*1

2位「ブラジル」21.50*2

3位「コスタリカ」20.50

4位「ルーマニア」17.50

5位「イスラエル」16.90

5位「ラトビア」16.90

7位「メキシコ」16.60

8位「チリ」16.50*1

9位「米国」16.40

10位「ブルガリア」15.80

10位「エストニア」15.80

 

出所:OECD 資料:GLOBALNOTE

*1:2017年データ *2016年データ

 

経年でみてみると、2000年代初頭、日本は主要国で3~5位と、相対的貧困率が高い国でした。その後、下降傾向となり2015年には17位。しかしその後は再び上昇傾向にあります。

 

相対的貧困率は、等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯人員の平方根で割って調整した所得)の貧困線(中央値の半分)に満たない世帯の割合。ちなみに可処分所得は所得から税金や保険料を差し引いたものです。厚生労働省によると日本の貧困線は127万円。単身者世帯で124万円、2人世帯で175万円、3人世帯で215 万円、4人世帯で248万円とされています。

 

また貧困には相対的貧困のほかに絶対的貧困も。これは生きるうえで必要最低限の生活水準が満たされていない状態を指し、どちらかというと、こちらのほうが「貧困」のイメージに近いかもしれません。

 

現在は、世界銀行による国際貧困ラインを基準に、最低限必要な生活物資を購入できる所得、または支出水準に達していない人を絶対的貧困者と呼んでいます。そのラインは1日1.90ドル。この水準が妥当かどうかの議論され、報告書によっては1日当たり3.2ドルとか、5.5ドルとしたものも。1日3.2ドル以下は世界の4分の1、5.5ドル以下は半数近くにのぼるといわれています。