主要国で唯一…30年前の給与水準を下回る日本
日本の凋落は「賃金上昇率」をみても明らか。同じくOECDのデータによると、1995年を基準とした2022年までの賃金上昇率は、トップが「エストニア」で1,192%増。「ハンガリー」「リトアニア」「メキシコ」「ポーランド」と続きます。90年代に社会主義国から自由主義国へと大きく変わった国などが上位を占める傾向にあります。それでも、たとえば「アイスランド」は556%、つまり1995年から給与は5倍以上になったということ。G7に限ると、米国が14位で249%。つまり1995年から給与が2倍以上になったということです。
それに対し、日本は33ヵ国中33位で98%。調査対象33ヵ国中、唯一100を下回る、つまり1995年を基準とした際、唯一給与が減った国なのです。
1995年を基準とした際、賃金上昇率で主要国中、日本が初めて最下位となったのは1998年。初めて100を下回ったのは2001年。それ以来、ずっと最下位を記録しています。また1995年基準で100を下回った国はいまだかつて日本だけという、ある意味、珍しい国です。
「失われた20年」とか、「失われた30年」とか、いろいろいわれていますが、まだ日本はまだ「失われたまま」の状態。どこまでこの没落は続くのか……暗くなる話ばかりが目につきますが、ひとつ明るい話題といえば、2013年に1995年基準で90.49%を記録して以来、平均年収は徐々に回復傾向。2022年は1995年の給与水準まであと2%のところまで来ています。どん底からの脱出は、あと少しかもしれません。