一時期、賃上げ、賃上げとニュースを賑わせていましたが、聞こえてくるのは「なかなか給与が上がらない」の声。「日本のどこで給与が上がっているんだか」と、会社員のボヤキが止まりません。世界でみたとき、ここまで給与が上がらない国も珍しいようです。みていきましょう。
韓国を下回る「日本人の平均年収」…アジアで「一番年収の高い国」からも陥落、日本の没落はいつまで続くのか?

主要国「平均年収」ランキング…日本は38ヵ国中21位

OECDによると、2022年、平均年収(名目ベース)が最も高かったのが「スイス」で97,327米ドル。「アイスランド」「ルクセンブルク」「米国」「ノルウェー」と続きます(関連記事:『世界主要国「平均年収」ランキング…1位~30位<2022年>』)。

 

【主要国「平均年収(名目/為替レート換算)」上位10ヵ国】

1位「スイス」97,327

2位「アイスランド」97,233

3位「ルクセンブルク」79,706

4位「米国」77,463

5位「ノルウェー」67,954

6位「デンマーク」67,036

7位「オーストラリア」64,294

8位「カナダ」60,975

9位「アイルランド」55,781

10位「オランダ」55,050

 

出所:出所:OECD 資料:GLOBAL NOTE

※2022年数値、単位は米ドル

※従業員(雇用者)1人当たりの平均年収(年平均賃金)

※数値は国民経済計算(National Accounts)ベースでの雇用者賃金総額を年平均雇用者数で除した値でフルタイム従業員換算ベースに補正

 

そこで気になるのは、やはり「日本」の順位。日本は調査対象38ヵ国中21位で、前年より15%ほど減の34,393米ドル。昨今の円安の影響もありますが、減額幅は最高水準。また20位「韓国」と順位は逆転。実質ベースでも同様に順位は入れ替わり、「アジアで一番年収が高い国」の座を明け渡しました。

 

またG7に限ると、日本は6番目。最下位「イタリア」は33,202米ドルで22位。G7においても「最も平均年収の低い国」への陥落まで、カウントダウンが始まっています。

 

経年でみていくと、1990年代、日本はバブル景気の名残もあり、世界の主要国でも年収の高い国でした。

 

【主要国「平均年収(名目/為替レート換算)」日本の順位の推移】

1991年:4位(24)

1995年:2位(34)

2000年:2位(37)

2005年:13位(38)

2010年:15位(38)

2015年:20位(38)

2020年:20位(38)

 

出所:出所:OECD 資料:GLOBAL NOTE

※(かっこ)内数値は、調査対象国数

 

順位が大きく下がったのは2000年代。2000年2位→2001年5位→2002年8位→2003年11位とあれよこれよという間にベスト10から消えていったのです。