誰でも年をとれば体の自由は段々ときかなくなり、介護が必要になる人も。そうなったときに、家族の負担を考えて施設に入居を検討するケースも珍しくありません。そこで気をつけたいのが「お金に関するトラブル」です。みていきましょう。
年金14万円・75歳の高齢者…「老人ホーム入居」検討も、まさかの事態に家族も呆然「何かの間違いでは?」

老人ホーム…公的施設5種、民間施設4種

人に負担をかけたくないと、施設、いわゆる老人ホームへの入居も、介護状態になったときのひとつの選択肢。老人ホームは大きく民間施設と公的施設の2種類があります。

 

公的施設は、大きく以下の5つ。

 

◆ケアハウス

軽費老人ホームのひとつで、自宅での単身生活に不安があったり、家族の協力を得られなかったりといった事情を持つ高齢者向け施設。

◆特別養護老人ホーム

要介護3以上が基本となる施設で、通称「特養」。看取りまで対応可能である一方で、看護師の夜間滞在はなし。日常的な医療ケアが必要な場合は入居できない場合もある。

◆介護老人保健施設

退院後、すぐに在宅生活が困難な高齢者が数ヵ月程度滞在できる、リハビリに特化した施設。通称「老健」。

◆介護医療院(介護療養型医療施設)

2018年4月に創設された施設で、要介護者で長期にわたり医療ケアが必要な人が対象。看取りを見据えた長期的な入居が可能。

◆養護老人ホーム

経済的・環境的な困難者を対象に、社会復帰を目指すための施設。あくまで一時的な入所が対象で、介護が必要になったら、退去しなければならない可能性も。

 

民間施設は大きく4つに分類されます。

 

◆介護付き有料老人ホーム

24時間介護スタッフが常駐。身の回りの世話や介助サービスが受けられる介護施設。要介護者のみが対象の介護専用型と、自立者も対象となる混合型の2種類に分けられる。

◆住宅型有料老人ホーム

要介護度が低く、自立した生活を送れる高齢者を対象にした、生活支援サービスが付いた居住施設。入居者が生活援助、外部の介護サービスを自由に組み合わせることができる。

◆サービス付き高齢者向け住宅

介護施設ではなく、住宅として取り扱われる、いわゆる「サ高住」。バリアフリー完備の高齢者のための共同住宅で、安否確認や生活相談などのサービスが受けられ、大きく介護ケアを要する人向けの介護型と、自立した人向けの一般型の2種類に分けられる。

◆グループホーム

認知症の人が5人~9人程度の人数でユニットをつくり、専門スタッフの支援を受けながら、自立した生活を目指す施設。

 

公的施設のほうが民間施設よりもリーズナブルなケースが多く、“入居待ちの長蛇の列”という場合も。厚生労働省の資料によると、介護付き有料老人ホームや住宅型有料老人ホームなどの、有料老人ホームの平均利用料金は平均月18.9万円。サービス付き高齢者向け住宅は平均14.0万円でした。